2001年11月2日
黒柳『ご主人の話なんですけど今すっごくラブラブなんですってだけどあなたの苦闘の何年間・・・』
東海林「あの65歳が定年の会社だったんですけど外資系なんですけど全国を飛び回って仕事大好きなんですよ。部下をしかったりして熱血営業マンだったんですね。それで60ぐらいになったときに仕事がどんどんどんどん減ってきて実働するより見ているだけになってくるんですね。そしたらつらくなってきたらしく行きたくないっていいだしたんですよ。」
『登社拒否』
「そうでもパパに楽じゃない見ているだけでこんなにお金もらえるのよって。最初のうちはそうだねって言ってたんですけど会社行こうとすると具合が悪くなるんですよ。お酒の量なんかも増えてきて”パパ辞めようよ”って早めに退職したらってすすめたんですよ」
『お辞めになったの』
「はい。辞めると今度余計にやることが無いんですよ。釣りに行きたいとかゴルフ行きたいとかいっぱい希望があると思ったのに行きたくないんですよ」
『ビックリしたでしょ。辞めたら次の日からルンルンで』
「そうでも最初の内ですね元気になったのはやっぱりずっと座ってテレビ見て。それと大きな仕事は終わったんだけど体力的には若いから何かしないといけないと思ったんですね」
『ちょうどあれなんですってね不況がだんだん押し寄せてきて60くらいのかただと新しい仕事が中々ない』
「そして考えたのが私がこれだけ毎日忙しく仕事に飛出しているのがパパにとってはプレッシャーなのかなって」
『そういうときに離婚しちゃうってこのごろ定年離婚ってありますよね。そういう気持ちってわかります』
「わかります。だって今まで素敵な人と思ってたのがお酒をのんだらダラっとしちゃうんですから。今まで通り仕事して楽しみの無くなった人を置いておくのは駄目だなって思って」
『楽しみを自分で見つけようってことも無い?』
「無い。いまから考えれば”亭主改造大計画”なんですけどいままでは私も主人も仕事忙しかったから旅行って考えたこと無いんですよこれはね旅に連れて行かなければと思って一泊でいいから箱根だったら一泊でいけるじゃないですか」
『行きましょうっておっしゃったときは初めどうでしたか?』
「すぐに行くって。それと映画に連れてったんですよ。この映画が良かったのは私も主人も千円で見られるんですよ。シニアだから。朝一番にいくとガラガラなんですね。指定席に座って。最初は寝ちゃうんですよ」
『ああ行く気が無いから。でもいらっしゃることはいらっしゃる』
「でも予告編なんかを見てるとあれ面白そうだねって次あれ見ようって」
『赤いお洋服を着ましょうって改造計画の中には』
「赤がいいんじゃないかって。闘牛じゃないんですけど」
『ヒゲもいいわねっておっしゃったんですって。』
「色んなこと言ってねそしたら少しかっこよくなてきたんですよそしたら段々段々盛り上がってきて仲良くなってきたんですね」
『その前はケンカしてたの』
「そうでもないんですけど前は”パパお酒飲んじゃ駄目よ”とか言ってたのが」
『やさしくなるのね』
「やさしくなったらお酒もやめて今は飲みません。」
『すごいですね今まで猛烈社員だった人が仕事が無くなって自分は必要とされてないって男の人のプライドやなんかは女には計り知れないものがあるんですね。女はその日限りですからなんとかやってきゃって』
「出世したいとかあんまし思わないじゃないですか」
『そうですね元々がね』
「会社の為とか思わないじゃないですか。自分の為ってのが比較的多いから」
『自分とか自分の家族ですよね。女の人はね。男の人は自分の能力を伸ばしたいっていうのがあったと思うから仕事がなくなったときのガックシの感じって女には理解できないですよね』
『ご主人は車の運転お好きなの?』
「車大好きなんですよ」
『車も新しいの買いましょうとかいちゃって』
「多少無理してそれを磨いたりしてる姿をみてると好きなことさせてあげたいとか思うじゃないですか」
『無理して車を買ったらこんどはあなたを迎えにいってあげようかとおっしゃって』
「行こうかといわれてもね終わる時間がはっきりしないじゃないですか」
『迎えに来るとそのあと食事にいって、映画に行ってってご主人がどんどん自分で動くようになって。4・5年はかかったんですって』
「そうですね3年はかかりました」
『ご主人もとっても前向きな方だと思いますよねそういってもいやだっていうひともいるかもしれません。それとご主人と一緒のポスター私はすごいびっくりしたんですけど』
「徹子さんねえテレビなんかに一緒に出てくれませんかっていうのが最初すごく嫌がったんですよ」
『あなたもイヤだって』
「そらイヤですよ。一人の方が気を使わないですから隣にいるとなにかと気を使いますから。だんだん連れて出て行くと銀行のポスターに」
『皆さんこれ見てください横に書いてあるんですね”一緒に長く暮らしていても新しい発見ってあるものですね”って』
「ポスターをね色んな所にあげるあげるってなんかうれしかったんじゃないですか。よく撮れたなって」
『そうこの方はモデルさんて思った方も多かったんですって』
「そうですか。そんなこと徹子さんいったら喜びますよ」
『このごろはあれなんですって家のこともすいぶんやってくださるんですって』
「すごいお料理上手なんですよ」
『前はぜんぜんでしょ』
「前は子供のお弁当作ってくれたりしてたんですけどそれはちょっとよかったかなって思って何も出来ないと大変ですからね」
『一人でお買い物に行ってそこでいろんな人と仲良くなるんですって』
「魚屋さんとかスーパーの人とかと今日いったらこんな話が合ったとか話すんですよ」
『ガラッと人生変わりましたよね』
「そうですね。顔つきも変わりましたしやさしくなったし。私もそういう顔つきみてるとやさしくなったし」
『イキイキとしていたいですね』
「面白いと思ったのは恋愛結婚だったんですけど私が大学4年の時1年で入ってきて3つ下ですからそれでこう来て色んな形ありますよね夫婦って今がねこう落ち着いて幸せだなって思えるようになりました」
『(拍手して)ラブラブっていうことはそういうことですね。結婚してからずいぶんなるでしょ?』
「もう40何年。だからあのときにねなんて気力の無い人でしょって思ってたら今の幸せは来ないですからね」
『女の人はそうあるべきだと思いますねえ』
『幸せな東海林さんに今年のあなたのお誕生日に』
「ちょっと前に4月なんですよ私仕事してましたら電話かかって来て”ママちょっと早いんだけど誕生日祝い買った”ってそん時になんだろうって、地元で仲良くしている時計屋さんがあるんですよそこは宝石なんかもあつかってるんですけどそこで私に似合わない宝石なんか買ってきたらどうしようっていろんなこと考えたんですよ」
『取り替えられるかしらとか』
「何?っていって”帰ってきたら分かるから”ってそして帰ったんですよそしたらこんなケージがありましてそんなかにネコちゃんが居たんですよ」
『うん』
「スコティッシュホールドていってネコちゃんなんですよ。それまでねパパがね犬が好きなんですよ。犬が飼いたい飼いたいって言ってたんですよ。息子なんかとも電話で話してたら犬を飼って上げたらって言われてたんですよ。でも大変だしって言ってたら私がネコが好きなんで犬をあきらめてネコを買ったんですよ。で耳が垂れてたから名前を考えずにミミちゃんって。またミミちゃんがよくできていてパパが大好きなんですよ。パパが餌を作るものですからパパにべったりなんですよ”僕はこんなにネコに愛されると思わなかった”ってつまり犬好きですから一日中ゴロゴロやってますよ。でママなんとか散歩させたいんだけどって”ネコは無理よ”って」
『今この局でコメンテーターとかをされてるんですけど大きな事件とかは止めてらっしゃるんですって?』
「阪神大震災の取材をしましたときにその日のうちに阪神に入りましたから本当に生と死をわけるような場面を何度も見たんですね。今まで色んな事件を取材してきましたけどこれで見終わったって思ったんですね。これ以上のことは起きないんじゃないかと。ここでけじめをつけないと阪神大震災という大きな事件にたったということをケジメとしないとこれからずっと取材していかなければいけないと」
『最近見ないなって』
「そこでけじめをつけないと今のような生活はないですね。」
『でもロックにお詳しいのね』
「はい。ライブに行くのが好きでひとつのバンドと知り合うと次のバンドって。」
『ご主人と行かれるの?』
「ご主人は行かないです。ロックは私だけです」