本日の徹子の部屋ゲストは龍村(たつむら)元さん

2002年3月1日

黒柳「今日のお客様は三代平蔵(さんだいへいぞう)龍村 元(たつむら もと)さんです。龍村を作りになったのはお父様?」

龍村≪はい≫

「それで明治27年にお始めになった。お父様はお若いときにお始めになったんですね?」

≪ええ16,7のときに≫

「16,7の時にお始めになった。今108年の歴史のある織物のお家柄でいらっしゃるんですけどお父様がお亡くなりになって次はお兄様が2代目をお次になったんですね。そのお兄様がお亡くなりになって今日のゲストの方が3代ということですけど今日私が締めさせていただいているのは龍村の代表的な帯ということですけどこれはなんといてらっしゃるんですか?」

≪威毛(おどしげ)錦≫

「これは龍村の代表的なものだそうでございますけどこれがベルリンで賞を取ったものですか。昭和13年に第一回ベルリン手工芸博覧会におきまして金賞を受賞したものだそうでございます。以来同じ物を作ってらっしゃるということでございましょうか」

≪はい≫

「こういうものをやってみようとお思いになったことがおもしろいですね。あの皇室の皆様がお召しになるローブデコルテ」

≪も作らせていただいております≫

「あとお車のシート、迎賓館の壁布それから国会議事堂の壁とかカーテンも龍村の織物だそうでございますがこれはやはりそこに合わせてどういうものがいいかお考えになる」

≪ええ≫

「それから劇場の緞帳も」

≪やらせていただいております≫

「それから祇園祭の鉾のものも復元されて」

≪オリジナルの物もあるし復元の物もある≫

「正倉院にあるものをいろいろ復元されているんですがその中でも琵琶の袋を」

≪これはお蔵にあるものですね≫

「模様が分からないんですってねえ。もともとの色はこうであったろうって想像されて復元されるわけですよね」

≪そうですね≫

「あの今うかがっておりますが復元のポイントは方眼紙に写す時の」

≪はい。非常に細かくやるのがポイントの一つですね≫

「それと当時と比べてカイコの出す糸が細くなってしまっているから太くした。なにかアメリカのストッキングのために。絹のストッキングのために」

≪輸出のために≫

「太い糸のカイコを飼って」

≪はい≫

「大変ですね太い糸を出すカイコを飼うっていたって」

≪専門的な方が作っておられるわけです。桑を植えて≫

「それは太い糸を出すカイコなんですか?」

≪はいはい≫

「大変ですねカイコから復元。昔と同じようにしなくてはならない。全部昔のものを良く見て拡大写真にとって方眼紙に写してそしてものすごいご研究をしてずっと織ってらっしゃる。こういうものも家康が持ってた頃の茶入れ」

≪そうですね秀吉も信長も≫

「秀吉も信長も。なんて日本人ていうのは綺麗な事をするんでしょうね」

≪こんな小さな織物になるとは中国の人たちは思ってなかったと思います≫

「中国のものを少しづつきってこういう袋にしていったわけですよね。龍村さんはこういう復元をするのがお好きなんですか?」

≪私どもの事業の基本だと思ってますから。バックボーンともうしますか。温故知新で古典の研究からクリエーションが始まると思ってます≫

「ずいぶんたくさん復元されて名物布だけでどれぐらい?」

≪およそ200あまりございます≫

「じゃあお父様の時代からお始めになって」

≪はい。最近は写真が非常に発達しましたからやりやすくはなってます≫

「日本の文化っていうのはねえ」

≪布を大事にするっていう文化はずば抜けていると私は思うんです≫

「こういう美しいものを美しいと思ったんでしょうね。こういう研究もしながらお着物の帯なんかもしなくてはいけないので大変?」

≪ええ。≫

「ファッションショーも早くからやってらしてそのときの生地ですね」

≪第2次大戦後の最初のファッションショーを手前どもの・・・≫

「おやりになったところも迎賓館」

≪コウリュウ館で≫

「日本の織物はどういうものかということを世界に知らしめるということで伊藤絹子さんたちがモデルをやってらしたんですね。大内順子さんの旦那さんのミヤウチヒロシさんがデザインなさったものを。ずいぶん早くからいろんなことを始められたんですね。やはり日本人独特の美意識で出来たものでしょうね」

≪ええそう思います≫

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