2002年3月22日
黒柳「ジミー大西さんです。タレントを辞めて画家に専念してもう6年」
ジミー≪はい≫
「ロンドン・スペインでやられた個展が大成功で」
≪はい≫
「ブラジルでは文化功労賞というのも受賞されている」≪はい≫
「全然知らなかったんですけどあなたの絵が日本で切手になってるんですってねえ。私も張ってたんですけどあなたのって知らなかったんですよね。これは大阪でおこなわれた世界新体操の。女の人が新体操してんのねえよく見たらわっかがあってその中がお月様になってるんですよね」
※ジミー大西さんの書かれた絵が80円切手になっている。新体操している女の人がフラフープを持って飛んでいる絵
≪そうなんです≫
「後ろの建物は?」
≪大阪城です≫
「やはり新体操とかは見たりするんですか?」
≪その時新体操のやってたテレビとかを見たりしてて・・・やっぱりやらしく描かないでおこうと思て≫
「やらしく描こうと思ったら描けるんですか?(会場笑)」
≪いやあやらしくは描けないですハハハハハ。デッサンが出来ないのでやらしく描けないので多分僕に白羽の矢が刺さったんじゃないかと≫
「でもあれなんでしょあなたが一番最初に個展をなさった時には岡本太郎さんが来て下さって」
≪見ていただいてキャンパスからはみ出しなさいとありがたいお言葉をいただきまして≫
「横尾忠則さんも見にきてくれて」
≪見にきていただいてプロになるなよと。偶然こういう絵になるんだからプロにはならない方がいいよと≫
「励みになるんじゃないですか」
≪自分の絵を見ていただくということがうれしいので≫
「絵の上手い子だとか写生が出来る子だとかは一切言われたことがない子だった?」
≪言われたことはなくて小学校の時に写生行った時にみんなはビルとかを描いている時に僕だけは鳥とか像を描いてもうたんです。「また大西は違うもんかいて」と笑われたんですけど先生は「いいよ」と言ってくれて≫
「ああそう」
≪で次の時間からは僕だけ音楽を聞いて絵を書くようになったんですけど(笑)≫
「吉本興業に入ってテレビにも出てる頃から絵をお書きになったんですか?」
≪ええそれも描いてなくて、ある時落ちで絵を描くことになってみんなタレントさんは絵が上手いので1枚描いてよって言われて1枚描いたらえらい好評で借金苦だったんで借金取りが来るんで(会場笑)部屋でジーと何したらいかなと思って絵を描いてたんですけどそれを描きためてたらある時個展してみないかってきたんで≫
※テレビ番組の企画でタレントさんが絵を描くことになった。それでジミー大西さんの絵を”落ち”にしてみんなで笑おうと思っていた
「それが最初の個展ですよね。(テレビで)そのあなたの絵を見せて最後にドット笑おうと思ったらチャリティーですごい値段がついちゃったんですって」
≪約30万円近い値段が≫
「他の人はそんなにつかなかったんでしょ。自分でもその頃から描きたいと思ったんですか?」
≪時間を忘れてしまうし絵が1枚出来上がると自分でヤッターという達成感がはじめて感じたんで≫
「上岡竜太郎さんは絵を描いたらって言ってくれたんですって」
≪言われてたんですけど≫
「像の絵なんですが耳にいろんな模様が入ってるんでこれは自分で描くときはこういう風に描こうと思う」
≪こんなん入れていこうって途中でイメージが膨れ上がるというか≫
「あなたの絵は本当にいろんなものが描きこまれてるんですが画材は何を?」
≪水彩で≫
「水彩!!これ水彩なんですか」
≪油絵は描かないんですよ。鼻がものすごくいいので≫
「油絵の具が鼻にきちゃう。あっという間に10年間で150枚ぐらい描きためたんですって?」
≪そうなんです≫
「全然売ってらっしゃらないんですって」
≪はい全然売ってなくて今年の春ぐらいにはもう手放そうと思ってます≫
「タレントやってらした時は結構お金が入ってくるんですけど画家に専念して絵を売らないと中々生活は大変でしょ?」
≪やっぱり食べていけないです(笑)≫
「桜吹雪という絵があるんですけどこういうの見ると平成の山下清という人がいるんですけど見てると山下さんの貼り絵とは違うようですけど。よく水彩画でしみないで描けますよね紙はどんなのを?」
≪厚めの紙で名前はちょっとわかんないですけど厚めの紙でかいてます。≫
「次にピースバードこれあなたはお好きだそうですけどどういうところが好きなの?」
≪お尻からピースを出しているところが≫
「Vサインのピースを。色彩は豊かなんですけどこの色はどういうところから来たんですかね?」
≪それがわかんないですけど最初赤を塗ったら赤から黄色塗っていこう青を塗っていこうとか自分でどんどん思っていくんですよね≫
「今日オブジェを持ってきてくだすったんですけどあれは」
≪セキフン粘土といてマンションの噴水になるんですけど≫
「どこから水が出るんですか?」
≪頭から水がでるんです≫
「やっぱり自分のスタイル決まってきたんじゃないですかねえ」
≪そうですねえ。でもどんどん変わっていきたいんですけどねえ≫
黒柳「スペインに3年いらして。それはピカソにあこがれたんですって」
ジミー≪はい。最初上野のバーンズ展見に行った時にピカソの青の時代とかデッサンがすごく上手くてでもキュビズムが入って変わっていく、その性格にすごく見とれてしまってどうしてもピカソを追いかけたいなって思ってちょっとスペインの方へ≫
「その時間に入っていろんなことやってくれたマネージャーと結婚なさって」
≪はいそうです≫
「おめでとうございます。あなたが帰りたいといっても「ダメダメ」って」
≪やっぱり語学が出来ないので帰りたいやけどって、それと泥棒とかにあったりすると帰りたいっていうんですけど「あかん、あかん」もっとそこに住んで勉強してって≫
「スペイン3年間行ってらして良かったですか?」
≪文化が残ってて・・・≫
「美術館とかに行ったらよかったでしょ」
≪美術館があってそこの作品が何カ月おきに変わるんで≫
「そもそもジミー大西さんは大阪商業大学の付属堺東高等学校の商業科をお出になってお家はサラリーマンを」
≪お父さんはサラリーマンでお母さんは社員食堂のほうへ働きに行ってたんで≫
「子供の頃からなんせあなたはしゃべらない子で」
≪しゃべらなくて言ってる事は分かるんですけど全然しゃべらない子で≫
「それでお母様が病院に連れて行こうかと」
≪それでみんなに相談してたらしいですけど≫
「学校の方ではいろんなことがあったそうですけど鉄腕アトムにあこがれて」
≪はいあこがれて空を飛びたいとか、マンホールの上をがたがた走ったり≫
「高校時代にみんなのためにっていうかせいでひどい目にあったんですって。2回ほど停学に」
≪はい。裸で電車止めて(会場笑)≫
「(真顔で)どうしてなんですか?」
≪その駅快速止まらないんですよ。でも快速乗ったら早く帰れるんで「大西悪いけど快足止めてくれ」って言われて「どうしても止められへんか」って言われて「止め、止め」言われてどうやって止めたらいいのって全裸になったら≫
「全裸」
≪全裸になったら止まるからって言うてホームに降りてストップっていうて快速は止まったんですが窓は開かなかったんです。車掌さんにつかまって≫
「それはかわいそうでしたね。あなたがやったということになって。その他に爆弾を学校に仕掛けましたって?」
≪どうやったら学校休めるかなとおもてああそうや学校に爆弾しかけるっていうたら休めると思って≫
「それは友達が言い出したんじゃないの?」
≪友達がとりあえず学校休みたいから「大西悪いけど学校に爆弾仕掛けたって電話せえや」って言う話になって「もしもし大西ですけど3時に爆発すると思います」って言ったら先生が「大西やろ!!すぐに来い」って言われて「何で分かりましたん」って言ったら≫
「大西ってゆうたやないかって。あなたの考えじゃなくてみんなからやれやれって言われてその時に傷つくっていう事はなかったの?」
≪やっぱり傷はつかなかったですけど(会場笑)やっぱりみんなが笑ってくれることに快感が≫
「(真剣に)笑ってくれればいいって。電車を止めたときも」
≪笑ってくれるのがすごい快感で≫
「で吉本に入った」≪はい≫
黒柳「”アミーガ”という絵がありますけどこれはスペインにいらした時代の」
ジミー≪はい家の前がちょうどビーチだったんでそこがヌーディストビーチなんです≫
「普通はだかって肌色で描きますけどね緑色で描いてある。あと”栄養不足”っていうのもある」
≪どうしても日本食がすごく食べたくなって≫
「それで栄養不足。でもあなたはしゃべれない子供だったんだけど初恋をしたことがあって小学校2年生の時にとってもあなたと遊んでくれた女の子が」
≪その女の子が最初・・・僕一人だけ残るんです”はないちもんめ”やった時。≫
「”なんとかちゃんがほしい♪~”あなたは全然ほしいといわれないの」
≪全然欲しいといわれなかったんです(会場笑)それでその女の子が大西君が欲しいと言ってくれるので≫
「へえ~~~~~え。ういしかったでしょ~」
≪うれしくてその子がものすごく好きになってしまうんです。全然しゃべれなかった僕が最初にしゃべった言葉がその子に対して”好き”という言葉だったんです≫
「なんて幸せだったんでしょうね。好きという言葉が最初。その女の子はなんて言ったんですか?」
≪”うん”とか言ってくれてその子もしゃべったことのない僕がしゃべった言葉がそれも”好き”やったのでものすごい照れて。ええ≫
「なんかすごく小さい時に亡くなっちゃたんですって」
≪夏休み過ぎてからその子が来なくなったんで先生どうしたのって聞いたら「休んでるから」ということででちょっとしてから9月ぐらいに亡くなったんです。自分で人が亡くなるということが生まれて初めてなんです。2週間ぐらいしたら来るのとちゃうのって先生に言ったら先生は「もう来ないから」っていってその時最初で最後やと思うんですけど廊下の向うにおったんですよ。最初で最後の幻やと思います≫
「あら~~~~あ」
≪「ああ!!いてる」って言ったらみんなが「いない、いない」って。で次の日からその子の机の上に花束(花瓶)を置くようになったんです。家が学校のまあ前やったんで朝早く学校に行って水を変えてあげたり花を変えたりやってたらみんながお化けでてきたん違うってなったんで≫
「ああーそう」
~CM~
黒柳「展覧会があるんですよね。ジミー大西作品展色彩との融合ということで新宿の三越デパートで4月30日から5月6日まであります」
ジミー≪初めて売らせていただきます≫
「それから5月14日から大阪の三越でもあるんです。でもきっとみんなは応援してると思いますからがんばっていて欲しいと思います。」