2002年3月29日
黒柳「この前もうかがったんですけど”我聞”というお名前が」
河相≪本名なんですがみんな芸名だと思ってるんですよ。≫
「みんな覚えちゃったからね河相我聞ってね。お兄様もかわったというかあまりないお名前ね」
≪”開流(かいりゅう)”というんです。≫
※河相我聞さんは4年前に徹子の部屋の出演された
「この前もおっしゃったけど”我聞く”と言うお名前なんだから」
≪そうですね僕も詳しくは名前の意味を聞いたことはないんですけど名前に”我聞く”と書いてあるんで”我聞け”かも知れないんですけど意味深そうだなと思いますね≫
「お父様という方はできたらお坊様にもなりたかったような人?」
≪おもちゃ屋さんなんですけどでも非常に浄土真宗の仏教を信仰深かった人だと思うんですよ。僕が生まれた時は70歳だったんで≫
※浄土真宗=仏教の一派
「お父様と将棋をするのが何よりも好きだった」
≪お父さんもおじいちゃんですから普通にキャッチボールをしたら大変ですからね。僕が2、3歳の頃は杖ついてましたから≫
「そうだったの。お兄さんにお父さんは非常に英才教育なさったそうですが成功例がお兄ちゃん。失敗例は自分だってそんなことないと思いますけど」
≪勉強熱心な人で高校を中退して大検をとって外科医になったんで。自分で勉強して医者になるための免許も一発で受かったみたいでそれだけは尊敬しますね≫
※我聞さんのお兄さんは医者をされている
「でもお父様はあなた方のために壁とかに地図とか世界地図とかを貼って常に勉強するようにと」
≪そうですね壁に漢字とか絵とかを貼ってあったんで本当にいろいろなものを貼ってあったんで映像で覚えてたんで小学校はいる前に勉強は終わってましたね≫
「だから(小学校に)入った後は100点とかすぐに取れちゃって学校の勉強なんか軽いやて思ってたら」
≪小学校3年生になって今までやったことのない分数の計算とかが出てきたら分からなくなって勉強しない癖がついてたんで本当にガクと落ちて≫
「今までは勉強したことのあるものばかりが出てきたんで分かったけど知らないものになったら勉強してないから」
≪全然ダメでしたね≫
「で学校をどんどん嫌いになっていったの?」
≪ですかねー。それもあると思うんですけど朝が弱いんですよ≫
「子供で」
≪小学校の時から朝寝坊していけないんだけど自転車で行ったりして本当に学校に行かなくなりましたね≫
「最初から?」
≪普通小学校って皆勤というか休まないじゃないですか。休む日が増えてきて≫
「成績が悪くなってきたからじゃないの?」
≪それもあるんですけど・・・あとは・・・小学校四年の時に劇団をはじめてから≫
「あ!劇団に入ってらしたから。お兄様が学校に行くのがいやなら劇団に行けばどうかって」
≪そうですね後はいじめられてたというようとこもありましたね≫
「どういうのがいじめだと思います?」
≪僕の性格も問題あると思うんで≫
「ああそう。友達から見たらどういう風な子に見えたんだと思う?」
≪どうだろう≫
「でも顔は可愛かったでしょ?」
≪女の子みたいな顔はしてたと思いますね。どうだっていわれても困るんですけど・・・ああ・・クラスとかで強い人とかに上手く付いていけなかったりとか≫
「それができなかたっと」
≪女の子と遊んでる方が多かったと思います≫
「それでいじめられたと。」
≪それだけじゃないと思いますけどねえ≫
「自分にも多少は原因はあったと思います?強くいじめられるという理由はそんなにはない」
≪そんなにはないと思いますけどねえ≫
「よく社会で”いじめ”って聞くじゃない。どうしていじめられるんだろうってみんな思うけどもしいじめられるとしたらどういう理由があるんだろうと思ってうかがったけどそんなには理由はなかった」
≪自分と他人とは同じかどうかはわからないんででもぼくはお仕事とかをしてテレビに出るようになってからは(いじめは)無くなりましたね。あと劇団での学校の他人とは違う人との共同生活をするようになってからは性格も変わったんだと思いますね≫
「はじめた頃はエキストラとかをやったんだけど仮面ライダーのエキストラをやった時はうれしかった?」
≪仮面ライダーとかに憧れてたじゃないですか。その頃(10歳ごろ)になると中に人が入ってるなとかは思ってたんですけどすごいうれしくてそのエキストラの仕事だけは欠かさず行ってましたね。テレビの裏側とかを見れて≫
「あなた”流れ星の家”っていう本を書いてらしてその中にはっきり書いてあるんだけどお父様はあなたが生まれた時には70歳ということなんだけど俳優になることは反対で出来れば東大に行って欲しい」
≪ほんとうにずっと東大東大で高校も頭のいい偏差値の高いとこに行けって言われててお兄さんの方も言われててそっちの方は守っていったんだと思うんですけど僕はダメで劇団も勉強がいやだから逃げたみたいな≫
「お父様が亡くなってから分かったんだけどあなたの出てるテレビをみて楽しんでたんですって?」
≪はい。僕の昼間出てたドラマを見てたって聞いてずっと反対してたから・・あんだけ反対してたのにがんばってやったから見てくれたのかなって。うれしかったですね≫
「お父様と最後に会ったときは小学校6年生ですか。めずらしくあなたが寝てらした所に来て」
※黒柳さんは河相さんの書かれた”流れ星の家族”という本の中身から話されている
≪それはねえ本は”私小説”なんで時間は正しくは無いんですけど≫
※私小説=作者自身の生活体験を素材としながらその中に作者の心境や感懐を吐露していく小説~小学館国語大辞典より~
「そういうことがあったということは本当」
≪本当に「もうこれないんだ」って言ったりしてましたね。≫
「お別れを言おうと思って「母さんとけんかしちゃったんだって」、我聞さんが「そんなことでお別れだなんて大げさじゃないか」って。多分この家には帰ってこないと思うよってお父様がおっしゃって」
≪そうですねそんなことがあったっていうのを私小説の中の1つのシーンとして入れたんですけど。すごい印象的でお父さんが部屋にくるというか2階に上がってくるというのがなかったんで≫
「その時はそうかなっておもって寝ちゃって下に降りていったらお父様が1人で将棋をしてたって言うのも本当ですか?」
≪あれは違うんですけど。1つのシーンとして入れたんですけど≫
「そしてその次に会った時はお父様のお葬式の時?」
≪ずーと会ってなくて久々にお父さんの話を聞いたのがお葬式があるよということで。不思議じゃなかったんですけど高齢ですから。あと会ってなかったんで死んだって言われてもいまいち実感がわかないっていうか≫
「だけどあなたのお母様がとてもお元気な方で「どうしていたらいいのかな」って言ったら「普通にしていけばいいのよ」ってそして兄弟とお母様とでお葬式に行かれたと。お母様という方はとてもあなたのことを理解してくださってる方で」
≪そうですねそう思ってるんですけど。お兄ちゃんのほうはすごく過保護で可愛がられて僕のほうは放任主義というかでもほったらかされているという感じがしなくて愛情持って育ててもらったような感じがしますよね≫
「”あなたの事は注意して見ますよ”、”あなたを愛してますよ”といつも感じられる」
≪そうですね中学の終わりから高校1年生ぐらいに家族みんなで住んでた家で1人暮らしをしてたんですけどそのことに関しても思春期ですからやってはいけないこともあるんですけど自分で責任持つならということで見守ってくれて。かといって見放してるんじゃないという感じが非常にあったんで悪い事といってもこれはまずいだろうということはやらないですし≫
「やっぱり難しいとこだと思うんですけどね干渉はそんなにしないんだけどでも離れていて責任持ってやりなさいということをいつのまにかあなたの中に入れてくれてどこからでも見守っているからねと愛しているからねと。どうしたら子供に伝えることができるだろうというのが皆さんの悩みのとこだと思いますけどね」
≪僕も親になったんで難しいと思いますけど≫
黒柳「子供が出来た時にあなたは19歳。今の奥様になった方が17歳。でお母さんにそのことをおっしゃった」
河相≪言ったら「おめでとう。よかったじゃん」って。驚くと思うじゃないですか≫
「うん。19と17でどうすんのってねえ。しかもあなたはテレビにねえ出てたわけだし」
≪いやあでも稼いでないし。月に5万ぐらいですし全然食べていけない。≫
「お母さんの態度に驚いたでしょ」
≪やっぱり不思議ですよね(笑)。だから出来ちゃったものはしょうがないじゃないっていう所があると思うんですけどがんばってやっていけばというところもあると思うんですけどねえ≫
「あなたにしたらこれから仕事だってどうなるか分からないし奥様は17だしこれからどうしていっていいかわからないというのもあったと思います。でもその頃からトレンディドラマにもちょっとずつ出るようになって奥様に3年待ってって」
≪その時期はこの仕事をやっているから周りには言わなくてはいけないんだろうけど今言うべきではないということで待ってといいました≫
「3年待ってと。ちょうどこの前”徹子の部屋”にいらした時がその3年待っての3年目ぐらいじゃなかった?」
≪3年待ってといったその後に「もうちょっと待って」って延ばしたんですよ≫
「4年前にいらしたときは21かそこらでしたよね。4年前に徹子の部屋に来た時はあなたは悩んでらしたの私知らなかったんで」
≪仕事このまましていってもだめじゃないかとも思ったし、ちゃんと普通の仕事しようかなって。趣味でお芝居は出来るしなと思い始めたりして。あとうちの奥さんにも別れましょうとか言われててたりして。強い人なんで≫
「奥さんが!よかったわね。そうしようかと思ってたんですけど よし!一緒(結婚)になって発表してというきっかけは何かあったのかしら?」
≪完璧なきっかけはなかったんですが・・・途中実際別れてたんですよ。≫
「子供は奥さんのほうに行って」
≪そうですね。勝手に1人で育て始めちゃって≫
「1人で育てるからと奥さんがおっしゃって」
≪それから別れてたんですけど本当にたまに会っていろんなことをしゃべってて僕も仕事が安定してきたから子供のためにも一緒にやっていこうかと、とりあえずやってみようと。結婚した当時は言ってみれば仮面夫婦みたいなものでお互いが好きとか嫌いとかは無しに子供とは一緒にいたかったし。あと僕ががんばってみたいというのもあったしやれるだけやってみようというのもあったし、、駄目だったらまた別れればいい話でそれはしょうがない話で仕事のことで分かれていたから今仕事がフラット(軌道に乗った状態で)になった状態でやってみたいと。それで建て直しをしてみたんです。≫
「複雑でしたね。そこら辺のところ」
≪言葉にすると複雑になるんですけど(笑)。性格的には(奥さんと)合わないということも無かったんで話せば2人とも大人になってたんでたまたま運良く立て直せたんで。結婚した当時は無理だなって。もって1年だなって≫
「ああそう。でも一般の人はね発表できなかったと事が発表できてねみんなおめでとうと言ってくれてねでも逆にむしろ今言ったように仮面夫婦みたいになっちゃったって」
≪綺麗な話ではないんでみなさん5年ほど子供を置いといて結婚したから「すばらしい」って言うような話じゃないんだけどなっていうのがあって≫
「奥様が素晴らしかったですね」
≪そう!奥さんが素晴らしかったんで成り立ったという感じなんで。奥さんのほうがたたえられるべき≫
黒柳「それで今年2番目のお子さんが生まれて。その子も男の子」
河相≪男の子です。≫
「お父さんに会わせたいなって思うでしょ」
≪そうですねもう少ししたら家族で墓参りを≫
「お喜びでしょう」
≪まさか2人も子供いるとは思ってないんじゃないですか≫
「仮面夫婦みたいだなと思ったけど発表なさってあなたも秘密が無くなって仮面夫婦みたいなとこもいやだったと思うけど奥様が」
≪そうですね昔より仲良くなりましたね≫
「ちょっと前に戻るんだけど1人で大きな家に住んでいて7DKぐらいの家にあなたの友達がいっぱいたくさん来て」
≪それは私小説として自伝ではないんですけど面白く書いたんですけどその頃は10代の中ごろは思春期ですから好き放題ですから友達が一杯来て家帰ったら知らない人が来てましたからね≫
※自伝=自分で書いた自身の伝記。自叙伝~小学館国語大辞典より~
「なに食べたんですかね」
≪テレビ的に言っていいのかわからないですが私小説を読んでもらえば≫
「その友達はどうしました?」
≪普通にちゃんと父親になった人もいるし本当に職人になった方とかもいるし髪型とかもパーマかけてた人が普通のサラサラヘアーになって≫
黒柳「今でいう茶髪にしたようなあなたのお友達が一杯あなたのお家に来たのをお母様がハラハラはしたでしょうけど本当に暖かく見守ってくださったのにはずいぶん辛抱がいったろうと」
河相≪素晴らしい母親だと思います。恩返ししなくてはいけないんですけど今ここに居るのは父親と母親のお陰で≫
「自分の子供だとあれだけの辛抱はできるかといったら」
≪いやあ全然無理ですね。父親として出来ているのかと≫
「そう今何歳と何歳?」
≪7歳と0歳ですね。すごく可愛いです≫
「可愛いハハハハハ。またね」