2002年4月1日
黒柳「池田佳代子さん「世界がもし100人の村だったら」という本をお書きになってすごく売れて」
池田≪びっくりしてます≫
「ちょっとみなさんにどういうことを言おうとしているのかというのを「もし世界が100人の村だったら」あなたもその村に住んでらしゃるわけですけど。52人が女性です。48人が男性です。やっぱり女性の方が多いんですね」
≪そんなに多いとはびっくりしましたね。≫
「61人がアジア人です。13人がアフリカ人。13人が南北アメリカ人。12人がヨーロッパ人あとは南太平洋地域の人です。調べてみると南太平洋地域の人は1人ということになるそうですけど。アジアに人が多いとはみなさんご存じなかったかもしれませんよね」
≪外国の方っていうと白人っていう感じですけどでもアジアの方が一番多いんですね。≫
「なんといってもアジアは子供の数が多いです。それから次にいきますと70人が有色人種で30人が白人です。」
≪やっぱり有色人種のほうが圧倒的に多いんですね≫
「外国っていうと白人っていう風になりますけど100人の村になるとそうなんですね。私これ一番好きなんですけどいろいろな人がいるこの村ではあなたとは違う人がいることを理解すること。相手をあるがままに受け入れることそしてなによりそういうことを知ることが大切です。」
≪外国人といえば白人と思っていた私自身が知らなかったことです。≫
「何かこの本をおまとめになるに当たっては私(黒柳さん)のアフガニスタンの報告をテレビでやったのを見て」
≪去年の7月にいかれたアフガニスタン報告を見て9月11日にNYとワシントンでああいうこと(同時テロ事件)が起きましてその後にアフガニスタンに報復だとか・・どうしましょうと思いましてそれで2つのことをやりました。インターネットに関することなんですけどメーリングリストってご存知ですか?≫
※メーリングリスト=多くの人がインターネットの電子メールを使って会議形式のコミュニケーションをするための方法~Lycos百科事典での調べより~
「私あまり詳しくは無いんですけど」
≪そこに加入すると投稿したメールが全員に行くんですね。9月11日以降にいろいろなメーリングリストが出来上がったんですが敷居の低いメーリングリストがあったんですね。それでいろいろな方の情報や意見を教えていただいて今まで来ています。それと100人村の学級通信というメールが来たのでペシャワル会のナカムラテツ先生が≫
「お医者様」
≪緊急募金をなさると。私のできることとしてメールを本にして印税を寄付しましょうと。でもその時はアフガニスタンのことを黒柳さんのアフガニスタン報告しか知らなかったんです≫
「そうですね取材も許されてなかったり」
≪ここ数年は大干ばつでそこに空爆があってそこで「どうしましょう」って私が思ってしまったのも説明つかないんですけど心を動かされたんですね。≫
「アフガニスタンがアジアだってご存じない方もいてアフガニスタンってアジアなんですねっていう方も結構多かったんですけど。このアフガニスタンの空爆の時ほどみんながなんかできないかってねえ本当にびっくりする。私のユニセフ親善大使の口座にもこんなに一度の募金が集まったことも無かったですし。忘れられた国のようになっててみんなが悪かったなっていう気持ちになったのかなって」
≪私は恥ずかしながらボランティアってやったこと無かったんですけど国境無き医師団に毎月銀行から振り込まれるとかDMが来るとそれでカードを買うとかしかしたこと無かったんですけど本当に分からないですけど突き動かされる思いでした≫
「みんなが関心を持ってなかっただけに報道はされていたんですけどみんなが関心を持ってなかった。私も行って見て本当にごめんなさいねってお詫びするしかないっていうね、そこに空爆って言うことになったんで。ごめんなさい池田佳代子さんご紹介が遅れたんですけどドイツ語の翻訳家でいらして「ソフィーの世界」これは大変なべストセラーで」
≪200万部≫
「ソフィーの世界を翻訳なさった方でもいらしゃるんですけど。アフガニスタン」のことで何かをしたいと思った時にメールの中にこれ(本)の素になったようなものが載っていたということで。続けますと全てのエネルギーの内20人が80%を使い残りの80人が20%を分け合ってます。」
≪すごく分かりやすいですよね。そういわれてしまうと≫
「100人の村人の内1人が大学の教育を受け2人がコンピューターを持っています。14人は文字が読めません。これはすごいですよね100人の内大学を出ている人は1人しかいない。14人は文字が読めない。その他の人は小学校に行ったりやっと中学校に行けたりとかということになりますよね」
≪学校に行くということが恵まれてるということではなくて大学に行ってるということは少数派なんだっていうのがありますよね≫
「日本では大学に行くのは当然の事だって思ってるかもしれないんですけど地球規模でいうと63億人の規模を100人に縮めますと1人が大学に行ってるということなんですよね。一番最初の方を私読まなかったかもしれません。世界には63億人の人がいます100人の村に縮めるとどうなるのでしょうというとこからさっきのことが始まってるんですけど。では次です。もしもこのメールを読めたなら次の瞬間あなたの幸せは2倍にも3倍にもなりますなぜならあなたにはあなたのことを思って送っただれかがいるだけでなく文字も読めるからです」
≪あのーお友達がいるとか文字が読めるとかそういうことではなくて何がすごいことかっていうと生きてるってことなんじゃないかなって思ったので生きてるからですというのは書き足しました。≫
「これは全部英語が入ってるんですけどこれは日本語から英語に?」
≪はいそうです。最初のメールは全部英語で周っていて翻訳されたんですけどその日本語の翻訳を書き直してしまったので元の英語とは全然対応しなくなったので政治学者のダグラス・ラミスさんに訳していただきました≫
「ダグラス・ラミスさんは(池田さんとラミスさんの)お子さん同士とお友達で日本に住んでいる方」
≪沖縄に住んでらっしゃるんですけど≫
「はじめはやんないとおっしゃたんですって」
≪そうなんです。人の不幸とね自分の幸福を確認するようなとてもそういうのは嫌だとおっしゃいました。メールにはそういうのがあったんで私もそれは嫌だと思ったので書き直したのでそれで見てくださいと≫
「そしたらあなたの書き直したものについてはすぐにやると」
≪はい≫
「元々インターネット上で世界を100人に縮めたことを考えた人が誰かいて」
≪最初は1000人村だったんですけどそれを誰かが100人村にしたっていうことですね≫
「そうするとみんながそこ(メーリングリスト)に情報を送ってきて」
≪例えば同性愛者の数がそこに出てきてるんですけど最初の1000人村には無かった項目なんです≫
「90人が異性愛者で10人が同性愛者ですって。それは同性愛者の人が情報を入れてきたっていう」
≪ちょっと理解して欲しいなっていう感じで。気持ちを理解して欲しかったので元に無いからといって削ることはしませんでした≫
黒柳「池田さんの考えいろんな人の考えを混ぜて上から貧しい人を見てるというような感じが無いようにということがみんながこの本を読みたいという風に思うんです。この本はいろいろな方の協力で作られているのでアート・ディレクションはフジモトヤスシさんでデザインがワタナベミツコさんでイラストをお書きになった方はヤマウチマスミさんという方ですね。池田佳代子さんは30回ぐらい書きなおしてらっしゃるんですね」
池田≪毎日毎日メールですけども編集の方とやり取りをして≫
「数に関してですけどずいぶんいろいろな人に調べてもらって」
≪そういうのも調べれば分かると思ったんですけど調べれば調べるほど分からなくなる世界だということを知りました。いろんな統計がありますから≫
「63億人人がいるんですからまとめようとするといろいろな反論とかもあるでしょうし」
≪一番大変なのは統計が無いところが一番大変なんです≫
「どういうところが?」
≪飢餓に瀕しているところとか統計は取れないんです。そういう気持ちなんで数字も気持ちの反映なんで気持ちを入れた数字にしました。ですから0.いくつとかいうところは1にしました≫
「そしてもしもたくさんの私達がたくさんの子供たちを愛することを知ったなら人々を引き裂いている非道な力からこの村を救えます。きっとっていうんですけどね。」
≪そこは私が書いたところではなくてラミスさんがこんなの僕書いちゃったんだけどっておっしゃって英語の方が先にあってそれを読んで初めてこのメッセージは完成したなって思ってそこだけは英語から日本語に。それがあって本当によかったと思います≫
「この村(地球)に私たちは住んでるわけですから村を愛し、村の人たちを愛さなければ村を引き裂こうとする非道な力からこの村をみんなで救おうとしなければ100人の村は駄目になってしまうっていう」
≪そこのページがあることによって背中をそっと押してくれる本と言ってくださる方がいたんですけどそういう風に思ってます≫
「元々天声人語にはEメールに出てきたものが取り上げられてEメールだけの中のことだったのでEメールを持ってない方はご本を読むということになって。私は元々19回ですかユニセフの親善大使の旅にいつも行ってくださるテレビ朝日の田川さんというプロデューサーがいて田川さんのとこにあなた(池田さん)からメールがいって」
≪田川さんと黒柳さんのとこに本がいってると聞いたのでメールを出させてもらって。去年の7月に行かれて放送されたアフガニスタン報告が今年になって再放送されましたよね。たまたま拝見したんですけど最後の方で黒柳さんが私たちに出来ることはなんでしょうって。「ああ!!この声が耳にあってこの本を作ったんだな」って再放送を見て思いました≫
「そうですか」
≪黒柳さんはご自分のお立場でユニセフの親善大使としてやってらっしゃる。あの時写っていた子供たちが今どうしてるだろうと思うとまた泣いてしまって≫
「今年の2月に行ったときも大変な数の国内避難民キャンプですから再び会うというのは難しいんだけどあんなひどい状況の中でも子供たちが希望を持って生きていくというのを見た時はね本当に救いでしたね。国土の95%がタリバンで世界から認められてない最低の国がアフガニスタンでしたからそのタリバンがいなくなってこれから自由になってやっていくということですから。でもみんなが力をあわせたらこの村は何とかなる少しづつでもね」
≪本当に何も知らなかったんですけどアフガニスタンとかパキスタンの難民キャンプだけじゃなくてもっと他にも大変なところがあって。アフリカのほうとか。日本にもアフガンの特にハザラの方々が逃げていらしてるんですね収容されてしまう。難民申請をすると。東京の方には茨城県の方に牛久と言うところにそういう施設がありまして外に出られた方も裁判の行方でどうなるかわからないということで(毎日新聞の記事を取り出す)毎日新聞なんですけど自殺をはかってらっしゃるんですね。≫
黒柳「(記事を見る)入管収容のアフガン人6人が自殺未遂」
池田≪なんとかアフガンの難民の方々にお力になりたいと思ってはじめたのが”100人村基金”なんですけど何とかすべきじゃないかと思ってます。ハザラの方々って日本人に似てるんですね≫
「そうですね」
≪ハザラの人は広島・長崎を知ってそして復興した国だからきっと痛みを知ってるだろうと思って逃げてきたっておっしゃるんです。何も悪いことしてないのに閉じ込められるのって言われると本当にごめんなさいとしかいえないんですね。≫
「難民になれてないっていえてますよね。」
≪そうですね何か恐いとか≫
「周りが全部海ですから。」
≪もっと人間らしい対応をしていかなければと思います≫
「この本ベストセラーと言いましたがどれぐらい売れてるんですか?」
≪116万部です≫
「その印税ですけど」
≪全額というわけにはいかなくて税金があるじゃないですか今100人村基金として3480万円≫
「この本1冊が安いんですよね。たくさんの人たちのお役に立てるということが池田さんがこの本を作ろうと思った大きなとこなんですけど韓国でも翻訳されている」
≪台湾でも出ることになりました≫
「この本を読んだ後に何が自分に出来ないかって何が出来るのかってずいぶんたくさんくるんですって」
≪携帯からメールが来るんですけど私は何が出来るのでしょうかとか自分が出来ることをしなければいけないよねって昨日も≫
「私は思うんですけどね関心を持つことが大事だと思うんですね」
≪私は黒柳さんにお礼を言いに来ました本当にアフガニスタンリポートありがとうございました≫
「世界がもし100人の村だったら」はマガジンハウスより出版。838円(税別)。太字は黒柳さんが本を朗読されたものを書きました