2002年4月11日
黒柳「どうも久しぶりでございました。今日は和服で楚々とされているんですけどこの頃はギャグとかしかも”おやじギャグ”」
財前≪(笑)≫
「どういうものですか?」
≪例えばトイレに行く方には「トイレにいっトイレとか(※トイレに行っといで)」とか。がんばトイレとかまっトイレとかそういことまで。≫
「なるべく聞きたくないっていう方もいるぐらい何ですって」
≪何も反応してくれないと寂しくて≫
「私に言ってください。私は何が好きってダジャレとか聞くのすごい好きなの」
≪そうですか(笑)≫
「私の周りにダジャレいう人少なくてね。お願いします」
≪わかりました機会があればポロっとでるので≫
「気付かなかったら今のダジャレですといってください」
≪わかりました≫
「テレビ朝日の新しいドラマ”眠れぬ夜を抱いて”に出演されるんですけどその制作発表の時に相手役の中村トオルさんが抱負はって聞かれて」
≪ええ、財前直美をコメディーギャグから変えてやるみたいなことを言ってました。≫
「楚々とした女優さんでお嬢様役が多かったんですが喜劇的なものをたくさんやってらっしゃるんでだけど今回は中村トオルさんはあなたを・・・」
≪いわゆるシリアス女優ですか?にしたいんですけどどうしてもこっちの方がテンション高いので中村さんをこっちのコメディーのほうに持ってこようかなと(笑)≫
「中村さんが深刻にシリアスにやろうとしてもついギャグを入れちゃうんですって」
≪もちろん本番でちゃんとした時はやらないんですけど≫
~ドラマ映像入る~
≪夫婦の役なんですけど(※中村トオルさんと財前さんは夫婦役)≫
「不思議ですねえ女優さんって(顔が違うことで)」
≪それが女優やってて楽しいんですけどね。これ(ストーリー)は説明しづらいんですけどとにかく11本見ていただかないと最後まで犯人が誰だかわからないんですけど。野沢さん(脚本家)の本があるんですけど最後は違う終わりになってるんですけど≫
「初めは終わりがどうなるかって読んでなかったんですって?」
≪それよりも2話までしか読んでなくて私は視聴者目線だからその時感じたことを演じようと思って≫
「知らないほうが良かったと」
≪そう思ったんですけどみんながロケにいちゃうんですけど寂しくなって読んでみようかなって読んでみたら面白くて9冊あったんですけどすぐに読めちゃいました≫
「あれでしょ放送は木曜の9時から。やってらしてとても面白かったんですって?」
≪ねえ≫
「でもあなたドラマの顔と今写ってらしゃる顔ずいぶん違いますね。」
≪コメディーはコメディーで面白さがあって、シリアスはシリアスで普通の主婦という面白さがあるんです。これは女優という本当にいろろな人になれる楽しみですね≫
「私にことを言ってなんなんですが3年程前に2つの芝居をやってて日本中回ってるんですけど”幸せの背比べ”というので周ってるんですね。それと”キューリー夫人”というので周ってるんですね。これはラジウム発見までやるんですけどいつも思うのは「いやあ、同じこといつも言ってるおばさんの役をやっているのにあっという間にノーベル賞2つももらう科学者の役ができるのは女優じゃないとね」って。」
≪おもしろいですよねいろいろな職業もできますし≫
「”お水の花道(フジテレビ系のドラマ)”も皆さんがずいぶん面白いって」
≪あまりにもやりすぎて自分を抑えるのが大変って≫
「マネージャーの方も大変といってらっしゃいましたけど。みなさん12年前にこちらにいらした時はねほんとうにねはかなげな女優さんでお嬢さん役がピッタリだった頃なんですね。みんなそういう風に思ってた時になぜか私はですね現在の財前さんを見抜いたようなことを言ってるんですね。そのVTRをちょっとご覧いただきましょうか」
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黒柳「じゃあ今は活発なお嬢さん?」
財前≪そうですね≫
「今拝見してるとスポーツとかねましてや甲冑兜をつけて馬から落ちるなんて思えないんですけどお笑いになると急に顔が陽気なお顔になるんですね」
≪黙ってるといいといわれるんですけど≫
「いやいやどっちにしてもいいんですよ。ちょっとすましたお顔をしていただけます」
≪・・・・(笑顔になって)≫
「そうそうそうそうすましたお顔と今の笑ってらっしゃる顔が全然違うのが面白いですよね」
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≪(笑)おかしすぎる。自分でも違う人に見えちゃいますね≫
「びっくりしましたね」
≪コメディーやってるよりもこっちの方が笑えるっていうのはどういうことなんでしょうか≫
「でも私はあなたのすましている時の顔と笑ってらっしゃる顔が違いますねとか言ってて12年前をおやりになるとああなんですよ。ああだったんですから」
※今夜から放送のドラマ”眠れぬ夜を抱いて”では現在の財前さんより12歳若い役を演じる
≪研究しないといけないですね(笑)≫
「でも違いますね。今はなんていうの庶民的というか(笑・財前笑)ずいぶんのお変わりになったのかしら自分でもそう思います?」
≪そうですね当時は外見で判断されるので楚々としていなさいとか添え物っていう感じのものが多かったんですよ。で”お金がない”というドラマがきっかけだったんですけどそれがコメディーに目覚めたきっかけですね≫
「なんかその時マネージャーが変わった?」
≪そうです≫
「それまでのマネージャーはハラハラしてあんましやり過ぎないようにと」
≪しゃべるなとか笑うなとか言われて≫
「マネージャーが変わったときにとゆどその”お金がない”ですかコメディーをされて「ああ!なんだ財前さんてコメディーもできるんだ」って。ご自分はそのほうが好きだったんですか?」
≪すっごい楽になりましたね。以前はそういう風に装ってないといけないじゃないですか。でもみんなにそこを見せちゃったらある意味恐いものは無いっていう(笑)≫
「あれですよねレコード会社の事務をしたいということで上京されたんでしょ?」
≪そうです≫
「みなさん事務ですよそれなのに突然「水着になれ」ということになってそしたら」
≪キャンペーンガールに受かってしまってですね≫
「背は何センチでしたっけ?」
≪背が166.7ぐらいです≫
「大きいですよね私たちの年齢からすると10センチは大きいんですよね、それが良かったらキャンペーンガールになって事務員のほうは無くなって」
≪そうです。事務所もバーと決められて≫
「とにかくバーと決められたのは良かったんですが女優さんを売るということを全然してなかった事務所だったんですって」
≪今も同じ事務所なんですけど当時は歌手を・・・中森明菜さんがいたりほとんど周りは歌手で女優として入ったのは私が初めてだったんです。≫
「あまりノウハウがない」≪そうです≫
「突然マーネージャーが国に帰ってお嫁に行ったらって」
≪ちょうど20、21ぐらいでしたか≫
「大人って勝手だと思ったでしょ」
≪あんだけ「お前はいい」って言ってスカウトした人が何でそんなこと言えるんだろうって。その時は自分も人からゆわれて女優になろうとは決めてなかったんですねだからすごく無欲に思えたと思うんですけどそう言われた時にすごくスイッチが入って「あなた何を言ってるんですか」って言って(笑)「もし見込みが無いんだったら言ってください。でももしあなたにやる気があるんだったら一緒にがんばっていただけませんか」って言ったんですよ。それからですね女優としてちゃんと生きていこうと思ったのは≫
「嫁にでもなれというのが無ければ。事務員だから事務の人をやろうと思っていってるんですから」
≪そうですね≫
「それが水着だっていうことになってどんどんそういうことになると。でもそこで楚々とした役でやってらしたんですけどマーネージャーが変わった頃から”お金が無い”にでて喜劇の方に行って。でも中村トオルさんみたいになんとか昔のあなたに戻したい人もいて彼は中年ではないですけどあなたは新中年キラーってよばれてるんですよ」
≪私ですか!≫
「旧という方がいたのかは分からないんですけどあなたがそうらしですよ。こういう格好(和服)をしてらしたらいいですよね」
≪ちょっと見せ掛けでごまかしてみました。滅多にねえお着物も好きなんですけど着る機会が無くて。でもちょっと間違えられちゃうのかなと思ったんですよ少し前まで”お水の花道”やってましたから六本木から銀座に移ったって言われるんじゃないかと(笑)≫
※”お水の花道(六本木)”ではスーツを着用。財前さんの中に着物=銀座という感じがある
「でも中年男性だったらいいなってまあ中年じゃなくてもですけど。さて話は変わるんですけどあなたは左手でお習字を書くのが好きで」
≪好きというか自分が落ち込んだ時に自分を励ます言葉を書いたんですよ。右だと理性が働くんですねどうしてもうまく見せたいとか、左だと力が抜けてちょっと芸術的に見えたりするんですよ≫
「そこでですね珍しいんですけどこの番組では実際に字を書いていただいて私は生まれてから左手で字を書いたことは無いんですけど私もやってみますんで」
≪はい≫
「みなさんもお試しください。とても面白い字が書けるんですって。書きすぎてうまくなりすぎちゃったんですて」
≪ちょっとねえ(笑)≫
黒柳「ちゃんとかばんの中から筆ペンをお出しになりました。筆ペンなんですか。お習字かと思って」
財前≪筆でも書くんですけど≫
※黒柳、財前習字中・・・
「書けました。あらお上手ね。本当に左手だったの見てなかった」
≪ちょっと墨がなかなかでなかったんですけど≫
※もう一枚書く黒柳、財前・・・
「これしょちゅうしょちゅうやってればどうにかなるかもしれませんねえ。これはあなたのですけど芸能人の方がたくさんチャリティーをおやりになりますけどこういうのできればいいですよね。落ち込んだ時っていましたね落ち込んだ時に”笑う門には福来る”って書くんだからそんなに落ち込んでないのかも知れない(笑・財前笑)」
≪でも”愛”とか”勇気”とか(書くんですけど)私”勇気”って一番欲しいんですよ少しの勇気があれば何でもできるんじゃないかと思って。こういう言葉を1個でもいいんで例えば”道”とか。道っていろいろな道があるじゃないですか。そういう字を1個書くというのが自分の中で面白かったですね≫
「(書くときは)夜なんか1人で」
≪そうですね結構暗いですね≫
黒柳「夜にこういうことをやってると気分がいいかもしれないですよね。あなたは今度お出しになる本の表紙もご自分の字で左手でお書きになったの」
財前≪はい。中にも言葉が入ってるんですけど≫
「”私が私であるために”。この本はずいぶんはっきりと男性の恋愛もお書きになって年下でも不倫でも(書いて)。不倫でも」
≪はい。自分に正直に。自分に正直になることがイコールみんなに正直になることだし。自分の中でもけじめ本って言ってるんですけど親元に18年間いて女優生活18年で4月からちょうど女優生活の方が長くなるんですよ≫
「1年長くなるのね」
≪ええ。節目の時期なので自分の中ではけじめ本と。≫
「あなたの若さで女優さんで恋愛の事を書くというのは、ましてや不倫のこととか年下の人のこととかやっぱりちょっとこれ書いちゃっていかなっていうのはありました?」
≪もちろん相手に失礼になってはいけないので何か匂わせてもいけないしでもこういうことで悩んでる人も絶対いると思って名前は出すのは全然しなくて想像させること置き換えて誰かが読んでくれたらいいなって≫
「でもそれだけのみんなが知らないうちに体験してらっしゃるということが女優をなさるのにはいいと思うんですけど」
≪本当にいい経験をしました。≫
「でもそれを書いちゃおうと思ったことがいろんなことを吹っ切れるという1つなんでしょうかね」
≪本当に楽になりますよ(笑)≫
「ええそこが吹っ切れないのが人間でねタケハラハンさんが80歳の時にね。80歳でですよ。いろんなことを吹っ切れて書いたり話したりできるだろかとおっしゃったら「どないですかなあ」とおっしゃってました。だからその方によってだと思います。でもあなたは吹っ切れて」
≪はーい≫
「いいですね」
≪ははははは(笑)≫
黒柳「まあお嬢様女優といわれてた方が自分の恋愛体験も書いちゃえということになった1つには年齢的なこともあるけど身近なおじいさまが亡くなった」
財前≪はい。≫
「亡くなる前にずいぶん一緒に生活なさったんですって?」
≪生活までは行かないですけど離れていても何か出来ることは無いかと。人の死というのを身近に感じたことは無かったのですごくいいきっかけになって≫
「ずいぶん旅とかしたんでしょ?」
≪そうですね東京にも呼んで東京タワーに行ったり≫
「(おじいさんは)どこにお住まいなんですか」
≪大分です≫
「おじいさまのお写真お撮りになったんですよ。(※写真登場)これは」
≪羽田空港で≫
「いろんなとこに行ったんですって?」
≪いろんな所に海外旅行してますね≫
「ご一緒に中国とかも」
≪中国とかハワイとかシンガポールとかかなり行ってますねえ≫
「この写真も財前さんが」
≪私写真撮るのも趣味なんでこれはわたしが撮ったおじいちゃんの写真なんですけど≫
「(写真の中に)すごくいいものがあるんでしょうね。あなたには」
≪そうですねたくさん愛情貰ったんですよね≫
「今までおじいさんと離れてらしたんですけど一緒に旅をするなるべく一緒にいようとする。亡くなった時に私の中にというものがあったんですって」
≪亡くなってもいるんですよここに。だから生きてる間にできることは無いかなってそれでおじいちゃんが会いたい人を全員会わせましたね≫
「ご病気だって言ってもずいぶん旅行とかなさったんですね」
≪そうですね≫
「その楽しい旅行いい思い出が心に」
≪それに自分が後悔しない生き方をしようと思いました≫
「おじいさまのことに関しては孫孝行もなさったと。そういうことでご本を書こうということにもなったのかもしれないですね。これからは吹っ切れた財前さんを楽しみにしています。」≪はい≫
「ダジャレ出なかったじゃない(笑・財前笑)ダメジャン」