本日の徹子の部屋ゲストは賀集利樹さん

2002年5月6日

黒柳「仮面ライダー・アギトで人気のお兄さんです。今日はよろしくお願いします。お母さんに人気だったそうですけどもお名前を聞くと歌わないんですかって聞かれるそうですけども賀集(かしゅう)さんですけども。先ほど向こうにいたお母さん(お客さん)が「あら!かわいい」といっていましたがよく言われますか?」

賀集≪そうですね。家の母の友達とかからよく言われてましたけども男性としては「かわいい」といわれるのはどうかと言うと・・・うれしくない(です)。やはりかっこいいと言われたいですね。≫

「女の人は「かわいい」と言われると結構うれしいんですね。歳なんかをとって「かわいい」とか言われるとねまあいいんですけどもね。小さい頃はよく女の子見たいとかいわれてたでしょう」

≪そうですね小さい頃の記憶は無いんですけども自分では女の子じゃないのかって思ってましたね。≫

「でも子供はあなたが(仮面ライダーに)変身した後が好きなんですって?」

≪やっぱりどっちかと言うと変身した仮面ライダーというキャラクターの方が好きだと思うんですよ。よく街を歩いていてお母さん方に「見てます。応援しています」ってよく言われるんですけどもその時にお母さんと一緒にいる子供と握手してくださいって言われるんですけども子供は(賀集さんと握手しても)あまり乗り気じゃなくて純というか≫

「正直と言うか」

≪でその後にお母さんが私もいいですかって握手を求められて(会場笑)≫

「お母さんが本当は握手したいんだけども一応子供に握手をさせてその後にお母さんが握手をするというぐらい女性に人気なのですが(仮面ライダー)アギトというのは終ったんですって?」

≪今年の1月に≫

「昔はいろいろな変身の仕方があったんですけどもこの頃は簡単なんですって?」

≪簡単ですかね?僕自身は変身ポーズは難しかったですねえ。≫

「今できます?」

≪(立ち上りポーズをする賀集さん)。≫

「そうですかやはり踊りやなんかをやってる人じゃないと難しいかもしれないですね」

≪でも基本は空手のタテが入っていたりするんですけども。最初教えてもらう時も木刀なんかを持って構えて剣を抜くと教えてもらって。≫

「でもあなたはサッカー少年だったからサッカーのことは詳しいけども剣を抜いて(武道)とかは詳しくない。テレビの変身シーンを見せてもらっていいですか~ここで仮面ライダーアギトの変身VTR流れる~今のは最終回だからちょっとさっきやってもらったのとは違うわね」

≪そうですね最終回なので。≫

「アギトっていうのは意味がないのかと思ってたらちゃんと意味があるんですってねえ」

≪昔の日本語で”顎(あご)”っていう漢字をですねえアギトといってたんですね≫

「あごのことをアギトと言ってた」

≪それでモチーフがクワガタ(変身後の仮面ライダーの姿が)であったりするんで顎の骨で敵をやっつけるじゃないですけどもそういう意味もあったり他にはアルファベットで書くとAから始まって最後はOで終るじゃないですか(AGITO)≫

「ええ」

≪A(アルファ)で始まりO(オメガ)で終るじゃないですか。最初で最後の仮面ライダーという意味で≫

「ちゃんと研究されてるんですね漠然とやってらっしゃるんじゃないんですねえ(笑)。で面白いのはこのアギトは普段お料理を作ったり家庭菜園を造ったりする性格の人なんですってねえ?」

≪そうですね(笑)職業が主婦という感じで人の家に居候して自分で育てた野菜を料理して料理が得意なヒーローなんですけども。僕の中の仮面ライダーのイメージは僕は子供の頃見てなかったんですけども男臭いというか≫

「そう」

≪男臭いのがヒーローだというイメージがすごい強かったんですけども今回の企画を聞いてこういうキャラクターですよと言われて今までのヒーローとは違って”仮面ライダーになっちゃいました”っていうヒーローだったんですよ。昔のヒーローは現実に存在しないようなのがヒーローだったんですけども≫

「そう」

≪今回こういうヒーローがいいかなって思ったのが現実に存在するヒーローだった≫

※昔のヒーローとは現実にはいなさそうなのがヒーローだったが今はどこにでもいそうな人がヒーローだと思った

「恋人やお父さんであればいいなって思うようなヒーロー」

≪そういうところが今回受けたんじゃないかなっと≫

「(仮面ライダーの)オーディションにすごい数の人が受けに来たんだけどもあなたはすぐにパッと決まったんですってねえ?」

≪2年前の8月に上京してきて(その年の)9、10月にオーディションを受けまして終って2日目ぐらいに「合格しました」という返事がきて≫

「早かったですね。900人ぐらいが受けにきてオーディション(面接)の質問も思っても見ないような質問があって」

≪そうですね「どんな性格の人ですか?一言で答えてください」とか。その時は「まあ元気で明るい少年です」って答えましたね(笑)≫

「あと1年間続けてやるんですけどもどうですかとか?」

≪そうですね。でもアギトが初めてのデビュー作で分からないじゃないですか。一つの役を1年間演じ続けるというのも僕は未経験なのでその時(オーディションの時)は僕なりの答えを出したんです。≫

「出てらっしゃる時にお父様の具合が悪くて?」

≪はい。2年前ぐらいですね父親が病気と聞かされて末期ガンだったんですよ。その時も僕はあと半年ぐらいしか(余命は)ないと聞かされていてちょうどその時に今の事務所の人に声をかけられていてでも東京に出て行く気にはなれなかったんですね(※お父さんのことが心配で上京する気にはなれなかった)≫

「大阪でスカウトされたんですって。やっぱり(東京に)行く気にはなれなかった」

≪でもその時も親父は「自分のことはいいから」と言ってくれてたんですけども。事務所の社長も理解してくれてたんですけども3ヶ月ぐらいは通いということで週に1回ぐらい演技レッスンを受けにいってたりしてたんですけども(※最初の3ヶ月は東京には住まずに地元の大阪から東京に通っていた)≫

「でもオーディションに受かってしまえばもうねえ」

≪でも父親が今のままやっていても全てが中途半端になるから東京に行けと。で自分が東京に行って集中してやることが自分のためでもあるし親父のためでもあるなと思ったので決意して上京したのが8月だったんですよ≫

※事務所からスカウトされてしばらくは大阪から通いで東京に行っていたがそれでは中途半端になるとのことで2年前の8月に上京その年の9月にオーディションに合格して仮面ライダーアギトに選ばれる

「凄く若いのに心の中は複雑ですこしでもお父様に長生きをしてほしいという気持ちもあったでしょうしお父さんにしっかりとしたものを見せてあげたいという気持ちもあったでしょうね」

≪それですぐに仮面ライダーに決まってまだ父親が生きている時だったので自分の姿を見せれたのもすごく親孝行だったなあって≫

「9,10月にはオーディションがあって来年の1月には放送されたんですねえ」

≪そうです。仮面ライダーは1年やるということで自分は主演じゃないですか、だからスタッフの人には迷惑はかけられないと思ってましたから父親の死に目とかに・・・≫

「本当にお父様はお亡くなりになったの?」

≪そうです。撮影の間だったんですけども。最初の方は事務所の社長に言って休みが1日でもあれば実家に帰らしてもらってたんですけども≫

「お父様は最初の仮面ライダーになっての感想は言われましたか?」

≪そういう風なことはあまり言わなかったんですけどもでも喜んでくれてたみたいで。≫

「でもこんな早く上京してオーディションがあって撮影が始まると言うのは少ないですものね。お父様のところから離れて5ヵ月後にはテレビに出たというのはある種の幸運でしたよね」

≪そうですね。でも父親は僕が子供の頃は仕事人間だったんですよ。だから母親との思い出はあるんですけども父親との思いではなくて。でも最近ポツポツと自分の中で(父親との思い出が)蘇ってくるというのか。≫

「お父様は亡くなった時は何歳ですか?」

≪55歳です。≫

黒柳「お父様は海外出張が多かった方なので物心ついた頃には一緒にいなかったなって。一緒にいる時はどこかに行ったり抱っこしたりしたんでしょうけど覚えてなくて」

賀集≪そうですね。先日日比谷を1人で歩いていた時なんですけどもなんか見たことあるマークがあるなって思ったんですよ(笑)。近くで見るとタイ航空のマークだったんですよ。僕が小さい頃に父親が愛用していた海外出張用のトランクにそのマークのシールを張ってたりしてたんですよ。僕にはタイ航空のキーホルダーとかをお土産にくれたりしてそれが子供の時にインパクトがあったって言うか≫

「このマーク見たことあるって」

≪その時に親父は機内でもらったキーホルダーを僕にお土産っていって渡したんだなって(笑)(※機内で無料でもらえるキーホルダーを賀集さんにお土産と言って渡した)。お土産って言っときながら。本当に仕事人間だったなって確信しましたね≫

「でもお父様は55歳という平均寿命よりも早くに亡くなられて。でもお母様は寂しがってらっしゃるでしょう?」

≪僕も電話したりとか母親からは電話があったりとか。≫

「お兄さんは実家の方には」

≪兄は実家の方に住んでますので≫

「でもどうですか芸能界にいらして?。ちょっとしかたってないんですけども2年前の8月からですけども」

≪芸能界というか俳優という仕事がですね今一番楽しいなって思ってる。今まで自分がこんなに一生懸命やってるのは初めてじゃないかなって。いろんなことをやってきて全てが中途半端だったんですけども≫

「サッカー少年でもあったんですけどもそれも中途半端だったんですか?」

≪そうですねその時はプロ目指すぞとか思ってましたけどもいまこの仕事をやってますから(笑)。でもそういおう経験を通して人は成長するっていうかそういう過去があるから今の自分があるていう≫

「お父様との辛い思い出とかは俳優としては後々役に立つと思いますけども」

≪そうですね。ですから今はいろいろな経験をして人間としてというか内面的に鍛えていきたいなと思っているんですけどもね≫

黒柳「やっぱり凄いと思うのは関西でお育ちなんですけども今しゃべっているとまったく関西弁の気配もない」

賀集≪そうですねイントネーションが全然違うじゃないですか。大変でしたね≫

「あなた可愛いのはいろいろ経験をしてみようということで温泉に行ったことがないから温泉に行ってみようと。1りで温泉に行った」

≪はい行きました。どういうものだろうと。気持ちよかったですよ。素直に気持ちよかったです。100%僕は温泉の良さを分かってないですね。はまるまではその良さが分からなかったですね。≫

「それから京都のほうに行って旅館に泊まって懐石料理というものを食べてみよう」

≪すごい面白かったですね。今まで見たことのない空間ていうですか。外人の人が喜ぶなって。僕も日本人ではないような感覚で食事を食べましたから≫

「お皿一つ料理一つみても自分が外国人になったように驚きますものね」

≪これが日本だなって≫

「フフフ(笑)可愛いでしょ。研究してるんですって。今度”はぐれ刑事(テレビ朝日系列のドラマ)”に出るんでしょ。とんとん拍子だと思いますよ。ケイン・コスギさんのあとにいらっしゃったという設定で。一番最初のシーンの時はすごい人の前で挨拶するんで本当に緊張したんですって?」

※ドラマの1シーンで賀集さん演じる新人刑事が配属先で自己紹介を兼ねた挨拶をするシーンがある。そこには藤田まことさん、梅宮辰夫さん。ぼんちおさむさん、岡本麗さんなどベテラン俳優が並び賀集さんはすごく緊張した

≪そうですねあの時は。いいリアルな・・役と自分自身の緊張が重なって。それに伝統と歴史がある作品でいま流行りもののドラマだったりスキャンダラスな作品が多いじゃないですか。でも”はぐれ刑事”は15年間いっさいスタイルを変えないで続いている。そこが凄いなーと思って。多くのファンの方に見ていただいている作品じゃないですか。自分もその中に入れてお仕事が出来るのはすごい誇りに思いましたし。15年間続いている作品なんですけども若手刑事だけはそこだけは時代に沿ってというか変わっていってる≫

「なるほどケインコスギさんがいなくなった後にあなたが入ってくる」

≪そうです。≫

「あなたはちょっと染めてるんですかね?」

「染めてます」

黒柳「はぐれ刑事の時もこの長さでこの色でやってらっしゃるんですね」

賀集≪そうです。それもまったく初めてだと思うんですよ(※髪の毛を染めた刑事が出演するのは)。今回の若手刑事で自分で思ったテーマはロン毛(耳にかかるくらいの長さ。それほどは長くはない)っていうんですか(笑)。ロン毛っていうのも初めてですし茶髪というのも初めてですし。そういう風だとチャラチャラしていてあまりよくは見えないじゃないですかでも中身は真面目で熱血というのをうまく出せたらと思って≫

※ロン毛=長い髪の毛

※茶髪=茶色に染めた髪の毛

「阪神大震災のときも茶髪の少年が活躍したてずいぶん話題になりましたね。外からじゃわからないという風な刑事にしたいと」

≪はい。僕自身もそうです≫

「そうですか(笑)。お父さんのこととかいろいろお話してくださって良かったです。これからの活躍期待しています」

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