本日の徹子の部屋ゲストは斎藤暁さん

2002年5月17日

黒柳「斎藤暁(さとる)さんです。よくいらして下さいました。俳優さんで”踊る大捜査線(フジTV系のドラマ)”では湾岸署の」

斎藤≪副署長です。≫

「それとCMで家を頭に被ったり、アコーディオンみたいなものを」

≪弾いたり≫

「そのときに踊ったり。あれは中間管理職なんですかね。あの踊りを踊っている人は踊りを練習してた人なのかなって。自由劇場にいらした俳優さんとはちょっと思わなくて。自由劇場で踊りをなさったのね」

≪はい研修時代に1年ぐらい≫

「家を被ってたのは賃貸のCMでしたよね。踊って。ああいうのを見てるとこういうおじさんでも踊る仕事が来るんだなって思ってましたけどね(笑)。”踊る大捜査線”って”踊る”っていうのがだいぶありますね」

≪”踊るさんま御殿(日本テレビ系列のバラエティー番組)”とか≫

「さんま御殿にも出てらしゃいますね。”踊る”のはだいぶお得意で」

≪”踊る”というのは流行なんですかね?≫

「お名前が暁(さとる)さんなんですけどもこれは暁(あかつき)と書いてさとると他人に読んでもらうのは難しいと思いますけども」

≪だいたいあきらとか。唐十郎さんはぎょうと呼びましたね。ぎょうもいいなと思いましたけどねえ≫

「これ(暁)は物事に明るいこと。物をよく知っていること。という意味らしいですね」

≪そうですか。全然意味がわからなかったですね(会場笑)≫

「本当にそうかもしれないですね(字の意味は)物事をよく知っているとかねえ」

≪全然知らないですよ≫

「頭に家を被って踊ったのも面白いんですけどもピンクのレオタードを着て新体操を着て踊っている。ポスターですかあれは?(番組HPに写真あり)」

≪あれはスポーツ雑誌の創刊号で(撮った写真です)≫

「これはピンクのレオタードを着て新体操を踊ってらっしゃるんですよ。これは何とも言いようが無い写真ですけども(笑)。あれですって東京女子体育学校で」

≪1週間(新体操を習いに)行かせられまして。≫

「秋山エリカさんですか」

≪全然知らなかったんですが横でやってた人が≫

「(斎藤さんが秋山さんに)教えてっておっしゃったんですって。知らないで」

≪スタッフにあの人(秋山さん)はこういう方だって世界第7位のって教えてもらったんですけどもあんまし興味がなかったですね。≫

「その人に1週間も教えてもらったんですって」

≪そうですね。横でいろいろ教えてもらいました。≫

「教えてもらいになって。あれ(ポスター)が駅なんかに張られたんでみんな見たんですかね?」

≪地下道なんかにダーと張られて正直恥ずかしかったですね。≫

「人の目を引いたでしょうね」

≪はい、でも(ポスターの)股間(の部分)をみんな破られてましたね(笑)。股間の部分だけみんな破られてたんで情けなーい感じがしましたね≫

「どういうわけなんでしょう?」

≪やっぱり男ですからね。≫

「バレエの方は股間にプロテクトを入れたりしますけどもなさったりしたんですか?」

≪ええ、やっぱり入れましたけども無理なんでしょうね(笑・黒柳笑)≫

「そうかこの親父のこれは似合わないって破っていったんですかね」

≪おぞましいものを見るような気じゃないですかね≫

「それにしてもトランペットもお吹きになって上海バンスキンという有名になったねえ音楽入りのお芝居。今でも多摩川の土手みたいな所でお吹きになってるそうですけども(土手で吹いてるときに)子供にスカウトされたんですって?」

※土手=川などがあふれて田地や家屋に流入するのを防ぐために、土を小高く積み上げて築いた長い堤

≪中学一年の名前言っちゃいますけども森田ヒデヨシ君。夕景の時に練習してたんですけども土手でずっと見ている少年がいたんですね。ずーといるんですね。日が沈む頃に近寄ってきて「うちにの吹奏楽団に入ってくれませんか?」って言うんです(笑・黒柳笑)≫

「学校の(吹奏楽団)?」

≪いえ狛江(こまえ)吹奏楽団というんですけどもね≫

「面白いわね。このおじさんに(狛江吹奏楽団に)入ってもらうには技術はどうかって見てたのね。森田君は何を演奏するんですか?」

≪トランペットです。だからトランペットを聞いてたんでしょうね。で次の日曜日に来て下さいと言われたんです。そのころ僕は”メガレンジャー”かなんかの博士(役)かなんかをやってたんですね。彼は(森田君は)知らなかったんですけども行ったらばみんなが騒ぎ出して森田君は目が点になってましたけどもね。何で騒いでんだって≫

「森田君はトランペットだけでスカウトしたのに」

≪でもうれしいですね。≫

「メガレンジャーでスカウトしたんじゃないんですからね。でも他の子がわーメガレンジャーだとか言ったんで。そこでどのくらいやったんですか?」

≪いや今でもやってます。≫

「森田君はどうなりました?」

≪森田君は今度高校生になっていろいろ彼女ができたとか言って最近こないですよ(笑)。≫

「森田君たまにはトランペット吹きに狛江の方にいらしてください(笑)。でも最近はさんまさんの番組にも出るようになってCMにも出るようになると自由劇場と言ういってみればアングラ」

≪そうですね≫

「そういうところから比べると出演料といいなんといい初めの頃はびっくりなさったでしょう?」

≪自由劇場の頃は(出演料は)ほとんどないですからね≫

「今こうして見るとお若いのにあの頭に家を被っておじさんに見えたCMに出たときはめがねをかけてたでしょう?」

≪伊達めがねですけどね≫

「”伊達めがね”懐かしい言葉ですね。ずいぶんおじさんに見えたんですけどもあれをやられたときはまだ30代ですよね?」

≪あれは10年程前ですから、今年で49になるでしょ。だから39かそのぐらいじゃないですかね≫

「体つきもうまく見えておじさんが踊ってるんだけども足の裁きが良くてやっぱりこの人は踊りをやってる人なんだなって。だけどこういう人で踊りをやってる人ってどういう人なのかなって。私はすごく不思議でいつもCMを拝見するたびに不思議だなって思ってたんですよ。この人は一生に何度かは無い踊りを習ってる人なのかなって」

≪もうできませんねえ。体が動かなくなりましたね≫

「そうなんですか。でも今でも踊りをやってらっしゃるでしょ?」

≪コマーシャル来るんだったら”ヨイショ!!”でやりますけどね。≫

「ヨイショで(笑)。でも唐十郎さんのところにもいらっしゃって。あそこは肉体使うんじゃないですか?赤テント」

※唐十郎=大鶴義丹さんのお父さん

≪やっぱりテントの芝居は若い頃芝居に入る前に見てましたから憧れみたいのはありましたね。商業演劇の新橋の渡辺えり子さん演出の唐さんも出てたんですけども≫

「ああそう」

≪で唐さんが自分のとこのテントでやらないかと言われていったんですけども≫

「出たのはいいけどもSMの女王の役で。女装?それは」

≪はい普通は白衣を着た先生の役なんですけども脱ぐと黒のブラジャーに編みタイツをはいてパンツを履いて髪の毛がこんなでムチもって叩くんです(会場笑)。もう寒い時は大変でしたね≫

「風が吹き込むから寒いのね。それはいいんですけども終ると今度は朝までみんなで焼酎飲むんですって?」

≪それが恒例ですからね≫

「お金がないから食べ物もないような。でも焼酎はあるって感じで」

≪安いですからね。あの頃は焼酎が安くて≫

「食べるものがないからテントの側に川があった時があったんですって」

≪初日でしたけどねえ≫

「どこでやったの?」

≪あれは福岡のモロミ川っていったか。福岡が第一日目なんですけども。他の人たちがテントを建ててるときに僕と唐さんとそのときは大久保タカさんていう人が3人で(川で)貝取りですよ。おかず取りですよ≫

「終ってから焼酎はあるんだけども食べるものがないから」

≪ご飯のおかずおかずですよ。芝居やる前にそれをおかずにして食べるんです≫

「芝居をやる前に。でもあれですねえ知らない町に行って川へ行って貝を取る気になりましたね」

≪唐さんは何回も行ってるから行くわけですよね。僕は初めてですからこれは大変だと思いました(笑)≫

「でも俳優さんでこれから食べるおかずを川へ行って取ってきてしかも町の中でしょ。めずらしいですよね」

≪お客が入ったら段々いいおかずになるからって言ってましたけどもね≫

「なったんですか?」

≪なりませんでしたね。(客は)入ってるじゃないかって(笑)≫

「なるほどお客さんは入ってるのにね」

≪≫

黒柳「それにしても俳優sんはいろいろな過去をお持ちですがテレビ朝日に入っている大道具さんをやっていたことがある?」

斎藤≪東京に来た時はテレビ朝日の大道具をやってました≫

「こういう(徹子の部屋のセットをさして)セットトラックから降ろしたり」

≪立てかけたり。徹子の部屋のセットがあったのを覚えています≫

「ああ前の六本木のテレビ朝日に。」

≪ここが徹子の部屋かって妙に感激したのを覚えています≫

「あそこは(六本木のテレビ朝日)大きく変わってるんでね。ここはBS朝日のスタジオで撮ってるんで。」

≪朝方まで徹夜でやりましたね。お金になるんですよ3日間徹夜をすれば1週間は食えたんですよ。完徹でヘロヘロになりながらやりました≫

「大変ですよね。立てかけたりちゃんとやんなきゃいけないですから。毎日のものだと立てっぱなしと言うこともありますけどねえ。話は違いますけどもこの間さんまさんに乗せられてと言うか今まで絶対にお話になってなかったのに・・・今独身でいらっしゃる」

≪はいはい。東京に来た時に連れてきたんですよ≫

※上京する時に奥様と一緒に上京した。今は離婚されている

「ああ!連れていらしたの奥様を福島の郡山から。連れてきましたっていうから何を連れてきたのかと思いました(会場笑)。(その奥様は)とってもよくあなたのために尽くしてくれた」

≪アマチュアの劇団で知り合ったんですが≫

「そうだったんですか」

≪で別れましたけどね≫

「そんなことを(さんまさんの番組で)おしゃべりになるつもりはなかったんですってね。」

≪上手いですよね。あの人(さんまさん)の言い方は≫

「ねえ。私だったらとてもそんなことはうかがえないですけども。本当に良くしてくださった奥様だそうで。念のために申し上げときますが。それからはご結婚なされないの?」

≪そうですね。凝りました結婚に≫

「そうなんですか結婚というものに。何ででしょうね?」

≪長くいるとこっち(独身)の方がいいなって思いますものね≫

「そうですね。私も1人ですから楽と言えば楽ですよね。いざとなったら寂しいでしょとか言われますけども」

≪まあ寂しいですけどね。天秤にかけたら独身の方がいいですよ。そういう感じですよね≫

「感じですよね。郡山からいらっしゃったそうですけども初めの頃は福島弁(東北地方)が抜けなくて大変だったそうですね?」

≪自由劇場がまだシェークスピアやってたころで≫

「シェークスピアやってたんですか(笑)」

≪田舎のシェークスピアだとか言われて。お前は田舎に帰れとか使い物になんないとか言われましたけどねえ≫

「ふーーん。」

≪でも首にはなんなかったから。初めて自由劇場の芝居を見てすごく都会的だなって思ったんですよ≫

「吉田日出子とかいらっしゃったんですよね」

≪そうです。試験を受けたんですけども地方ではあんなお芝居を見たことはなかったんですよ。なんか説教臭いお芝居とかみてて何が面白いんだと思いましたけどね。それで自由劇場を見たときに「へえーー」ってびっくりしましたね。これが都会かもしれない俺にはないなあって≫

「でもお父様は電気のお仕事をやってらしてバブルの時は良かったんですけどもその後は・・・」

≪中小企業の中小企業みたいなものですから一番に打撃をくらって。私は工業高校の電気課をでたんですよ≫

「あ!じゃあお父様の(後を)継ぐつもりで?」

≪いや親父に入れって言われてその時は自分に何も目標はなかったものですから入ったんですけども。入ってから「ああ~俺は電気ダメだ」ってビリビリっていうのがだめなんですよ(会場笑)。≫

「フフフ(笑)」

≪触るだけでも恐怖感があって。電機がいやでいやで親父とケンカして家を出て地元のテレビ局に何とかもぐりこむことができたんですよ。それは大道具と照明と≫

「テレビは直接触りませんからね。ビリビリと(笑)。俳優さんになるつもりはなくて」

≪なかったですね≫

「バブルがはじけたらお父様の電気店はだめになっちゃたんですって?」

≪はい。僕が自由劇場に入ってからだめになっちゃったんですけどね。≫

黒柳「CM中にお父様は今はお元気ですかって聞いたら「ええ入院しています」って。その後入院されたんですか?」

斎藤≪やっぱり(電気店が)倒産した後結構ショックでしたからね。兄が継いでやってたんですけども兄がこれ以上やってたら全部共倒れになるって言って。権利は兄の方に全部譲ってましたから。全部清算しちゃいましたから。≫

「お好きでお始めになったものですからね。でも今はあなたのテレビなんかを見るとお楽しみに?」

≪ニコニコ笑ってますけどね。昔は電気工事やんないから怒ってばっかりいましたけどね。≫

「でもあなたやってたらもっと早くに倒産したかもしれませんねえ(笑・会場笑)」

≪(笑)。そうです(笑)≫

「”踊る、大捜査線”というのはいつも3人お仲間がいらっしゃいますよね」

≪北村総一郎さんと小野武彦さん。≫

「北村さんが自分のお家に小野さんを呼んだんだっけ?」

≪北村さんが家を買ったんです。屋上がついてるからそこでバーベキューをやるから来いと。それで行ったんですけども。小野さんは遅れてきたんですけども。バーベキューですから火を起こさないといけないと言うことで炭をねカートリッジ式のコンロがあるじゃないですか。それに炭を並べて火をつけて。でも中々火が付かないんですよ。屋上だから風がビュービュー吹いて。1時間たっても火が付かないんですよ≫

「フフフ(笑)」

≪そこに小野さんが遅れてきて(見て)何やってるのもし火がついてカートリッジ(ガス)に火が付いたら爆発するぞって。ぞーとしましたよ≫

「それは爆発状態だったんですか?」

≪もし火が付いて炭が熱をもってカートリッジの方にいたらば(爆発してた)≫

「卓上のガスコンロに炭を入れるもんじゃなですよね」

≪それは北村さんが分からないから僕もやって(笑)。≫

「ハハハハハハハ(笑)」

≪さすがですね小野さんはそういうところでは物知りで。その後は(小野さんは)肉はこうやって焼くんだって教授しながらね。北村さんはホーホーって言いながらね。もし爆発しててたらどうなってたか分からないですよ≫

黒柳「さっきのバーベキューの話なんですけども北村さんは夜の7時からやるよって言うつもりだったんですけどもこの方と小野さんは1時って聞こえて午後の1時に行ったらばまだ向うはパジャマ姿だったっていうおかしいことは次々にあったんですけども。”さんま御殿”というのはお友達を連れて出演すると言うものだったんですけども芸能人に友達があまりいなかったもので」

斎藤≪僕の行ってる居酒屋の名物のおじさんがいるんですけども”のぶさん”と行って青森出身のいまだに青森弁をしゃべってる元とび職をやってる方なんですけどもこの人を大好きなんですよ≫

「あなたが。さんまさんにも紹介してあげたいしということで」

≪でもディレクターの方が普通の方を(番組に)連れてきたことはないということで(その”のぶさん”のいる居酒屋に)ディレクター2人が偵察に来たんですよ。それで紹介したらこの方だったら(番組に出ても)大丈夫ということで≫

「ああ!そう。どうでした?」

≪さんまさんはどう扱っていいかわからないみたいで(会場笑)≫

「あまり(さんまさんも)攻撃もできないしね」

≪そうかと思ったんですけども≫

「のぶさんはどうでした?」

≪すごく感激してました。ビデオ撮ってね棺おけの中に入れていくって≫

「良かったですね。いろんな友達がいてなによりで。またいらしてください」

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