本日の徹子の部屋ゲストは川渕三郎さん

2002年5月30日

黒柳「川渕三郎さんは元サッカー選手でいらっしゃいます。そして東京オリンピックの時の日本代表。38年前の事。そしてベスト8に入っていてこの時アルゼンチンとやって勝った?」

川渕≪そうです。当時アルゼンチンは優勝候補と言われてましたから奇跡的な勝利と言われていましたね。≫

「しかも川渕さんはその時に点を入れる責任者(FW)のとこにいらした?」

≪点を入れるポジションにいたということですね≫

「釜本さんと一緒だったんですが、釜本さんがここ(徹子の部屋)にいらしたときにたまたま見てらしたんですね。」

≪釜本が徹子の部屋に出ると言う事でこれはサッカー界にとっては非常に名誉な事だと言うので見たんですが「私はスポーツのことにはうといんで」と言われたのを覚えています≫

「何を私が質問しても大丈夫なようにして来て下さったという事なんですが。(昔)日本は他所の国と比べて100年サッカーは遅れている?」

≪スタートしたのはルールができたのは1863年イギリスで制定されたのですが、10年後の1873年イギリスの将校が来て日本にサッカーが伝えられたといわれているんですが、日本でサッカーをプロ化したのは9年前でそういう意味では日本は全然遅れていると思います≫

「JリーグというのはジャパンのJですよね?」

≪そうです≫

「ですから向うは100年前に」

≪1888年にイングランドでプロができたんでそれからいうと100何年遅れてる事になりますね≫

「選手は良くやってると思うんですけども」

≪僕らの時代は運動神経がある人はみんな野球をやっていまして残りが他のスポーツといったら怒られますけどもそういう感じでしたよね。今運動能力の高い子がサッカーをやるようになって世界でやれるようになったということですね。≫

「遅れてるといっても同じ戦場でやらなければいけないんでね。予測で話していただくのは悪いんですけども(日本代表)メンバーが発表になりましたよね。ABCDEFGHとH組みまであるそうですけども1つの組が?」

≪4チーム≫

「その中にゴン中山(現・ジュビロ磐田所属)さんが入ってたのにみんな驚いて」

≪すごく人気があって。なぜ人気があるのかというと常に一生懸命、常に手を抜かない。プレーはすごく上手いとかではなくて下手というと怒られますが技術的にすごく上手いというわけではないんだけども彼の直向さが多くのファンの感動を呼ぶんですよ。≫

「チームがまたそれで良くなってゆく」

≪グラウンドに出ただけでワーと沸くぐらい。≫

「前やったとき(’98フランスW杯で)は彼はものすごく活躍を」

≪フランスのワールドカップの時は彼だけが1点を入れたんですよね。≫

「私もけってるとこを見たんですけどね。あらあらすごいわって思ったんですけども。そのメンバーの中に中村俊輔さんが入ってないのが残念だとみなさんおっしゃって」

≪まあ監督としての戦い方があるわけですよね。その戦い方の中に俊輔選手のポジションが3番目か4番目の選手に位置付けられたから今度のチーム構成としては監督は必要ないと判断したんでしょう。でも彼の想像力豊かなセンスというものが日本のJリーグの中で多くのファンを集めてるわけですよね≫

「何か天才とか」

≪すごい能力を持ってるわけですから。トルシエ監督も守備力も守る側も攻撃と同じようにやってほしい。そういう部分の物足りなさがあると判断したんだろうと思いますけども。まあ俊輔選手だけではなくて高原という選手も名波という選手も元気だたら選ばれたのに病気になって非常にアンラッキーでそういう選手は一杯いるんで俊輔だけのことを言うと他の選手にも悪いなという感じがあるんで僕の立場からいうとこれをバネにして次の飛躍をめざしてほしい。まあ彼もまだ若いですからね≫

「中村さんご自身もおっしゃってましたよね。(川渕さんは)選手だったからおわかりだと思いますけども選ばれないのは大変ですけども選ばれたら選ばれたで大変じゃないですか?」

≪そうですね僕も現役時代そういう経験をやってるんでね発表の前の日なんて(日本代表に)入るか入らないか計算しちゃうんですよ。選手はその一晩眠れないくらいの辛いというか厳しいものがあるからその気持ちを思うと辛いものがありましたね。俊輔選手は次のドイツのワールドカップ、その次まででれる年齢ですからね中山選手とか秋田選手は今回が年齢的にいっても最後なんですよ。そういうことで選ばれて良かったなあって多くのサッカーファンが感じてるんで選手が今後どういう風に持っていくかということが一番大事ですね≫

「三浦和良さんは今回は選ばれなくて残念だってご自分でおっしゃるあのへんが”キング・カズ”と・・・」

≪カズはフランスのワールドカップを(日本代表から)落ちた時も愚痴一つこぼさずにね「自分の魂をフランスに置いてきた」とかそのコメントが胸を打ちますね。彼みたいな立派なコメントができる選手がいてほしいと常に思うんですけどもね。≫

「お手本になる選手がいるということがね」

≪若い選手にとっていいサンプルになりますね。≫

「足が速いとかもあると思うんですけども精神面とか生き方とか」

≪戦う気持ちがなければいくら高い技術や戦術や体力があっても絶対に無理ですね。戦う姿勢がないとサッカーの選手は絶対に試合にでれないですね。中山選手は一番いいお手本というか模範生ですね≫

「私びっくりしたんですけどもウルグアイのゴールドキーパーの・・・」

≪ゴールキーパーですね(笑)≫

「私何て言いました(笑)。ゴールキーパーのチラベルトさんという方にお会いしたんですね」

≪パラグアイですね≫

※チラベルト選手はパラグアイ代表のゴールキーパーです

「ベストテンという番組にゲストでいらっしゃたんですね。サッカーのことをうかがってるのにあの方は私がユニセフの親善大使ということばっかしおっしゃるんですね。子供のために自分(チラベルト)も働いてるんだけどもあなたは本当に偉いねって。最後までユニセフのこと子供の事をおっしゃるんですね。どうしてかと思ったら子供の事とかボランティアのことをものすごく大事にしてらっしゃるんですね」

≪彼はコメントさしても人間として立派な事を言うんですよね。安心してコメントを求められる。そういう意味では彼はサッカーのスーパースターですし国に帰ったら子供たちのためにチャリティーをやってるって国中が知っていますから、もしパラグアイの大統領選挙に立候補したら文句なしに当選するだろうと言われてるんですよ≫

「そうい人が選手で。そういう風に人間的に成長してないと選手としてはダメだと。さて最初(初戦)に日本はベルギーと。」

≪日本のサッカー解説者の人も評論家の方も日本はどうにか勝てそうだとしてきたんですがフランスとやって2対1で(ベルギーが)勝ちましたからねみんなちょっとショックに思ったんじゃないですか。≫

「これで予選にでられるかどうか決まるといわれているベルギーがあんなに強いといわれているフランスに勝ってしまった。」

≪ええ。試合前にそのままいいチーム状態で持ち越せればいいですけども落ちる場合もあるし、日本はこの前ノルウェーにコテンパンにやられましたから日本とベルギーの気持ちの持ち方はこれだけ差があるわけですよね。でも第一戦でそのままでるかというとそうはいかないですね。そういう意味では(日本の)選手の中に勝てますよとか悪くても引き分けますよという油断があったのがフランスでの勝利でこれはやばいという気持ちを持ちますし、それが選手にとっては戦いやすいという事に繋がるんでね≫

「そして(日本代表メンバー)23人を発表する時にトルシエさんがいないのは何なんだと言ってたんですけども今のベルギー対フランスの試合を見にあちらにいらしてたというのが(ベルギーというチームを知る上で)良かった?」

≪これが我々がある程度予測してた感じで(ベルギーが)フランスに完敗なんかしてたらね行かなくても後でビデオなんかを送ってもらったらいいじゃないかという事になるんですがフランスに勝った故に見てきてくれて良かったなあということになりますね(笑)≫

「日本はまずベルギーそれで・・・」

≪ロシアですね。ロシアも結構強いんですね。弱いチームがワールドカップにでてくる事はありませんから。ただベルギーに負けてしまうと次のロシアに勝たないと予選リーグは絶対に突破できないんですね。32カ国があってその内16ヶ国、各組2カ国づつがでて次の決勝トーナメントで戦うんですね。これに出るにはベルギー、ロシアどっちかに1勝するか最悪の場合でも両方で引き分けにするとかそういうことがないと最初の2つで負けちゃうと決勝トーナメントに出ることは不可能なんですね。ですから第一戦のベルギー戦が重要なわけですね。でも勝たないと勝たないとというとプレッシャーになるんで悪くても引き分けと言うと次のロシア戦が楽ですね≫

「23人選ばれましたよね。その中から試合に出る人っていうのは全部でるわけじゃないですよね?」

≪11人≫

「その11人はベンチにいってから誰が最初に出るかわかるんですか?」

≪それは練習をして監督がこの11人と発表するんですね。≫

「その11人がまずベルギーとやるという事ですよね。そのベスト16というのに入ると選手1人500万円づつもらえる」

≪ははは(笑)そうですね≫

「他所の国は知りませんけども。日本サッカー協会からもらえると。優勝したら1人3000万円づつもらえると。本当ですか?」

≪本当ですよ。≫

「普段サッカーを見ない人間でもとにかく勝って欲しいと。プレッシャーを与えないようにお祈りをしてね念じる事が効くらしいですよ。このごろ科学的に立証されてるみたいですよ。アメリカで。ちょっとコマーシャルをはさんでその話をします」

※立証=証拠を示して正当性を明らかにする事

≪はい≫

黒柳「お祈りの件ですけども病院の患者さんをね名簿だけでね2つに分けてあらゆる宗教の人たちにお祈りしてもらう患者さんとしてもらわない患者さんと。本人たちは知らないんですよ。そしたらお祈りしたグループはみんな良くなっていく。もしかしたらお祈りというものは効くかも知れないということがでてたそうなんで私達が全員でですね・・・他所の国もお祈りをするでしょうから嫌ですけどもね。さっきのお金の件ですけどもFIFAというんですか」

川渕≪国際サッカー連盟ですね≫

「そこからお金が出るんでですね、もし最後優勝したら(試合に)出た11人だけじゃなくて選ばれた23人全員が1人3000万円づつもらえるんですって。お金の事だけじゃなくて大変なことですよね」

≪そうですね。優勝したら世界中の人たちが認めるわけでしょ。お金に換えられないくらいの値打ちがありますね。≫

「サッカーの試合がある場所はどこもしっかりしたサッカー場を持ってることになりますよね?」

≪そうですね、はい≫

「大変だと思うんですけどもどうでしょうかね」

≪それは(笑)どういう成績という意味ですか?≫

「そうですね」

≪勝負の世界のことですから極端な事を言えば3連敗もありえるし3連勝もありえるしその間ということになりますけども。やはりワールドカップというのはチームが1ヶ月間戦うわけですよね。チームが1ヶ月間ベストコンディションということはありえないですよ。だからスタート時にチームの状態をトップで持っていけばそのままいい方向で予選リーグを突破する事も可能ですけどもスタートのところで状態がトップじゃ無ければなかなか苦しい。優勝するチームは過去の例をみていると最初は苦労して段々勝っていって優勝というのが多いんですよね≫

「そうなんですか」

≪それほど1ヶ月間というのは長いんですよ。ホームで試合をするわけじゃないですから環境・食事で調子は変わってきますよね。それに1ヶ月も男性ばっかしの中で暮らしていると倦怠期にもなっちゃう。倦怠期というのかどうかはわかりませんが≫

「言うんですかね(笑)」

≪だからそういう意味では日本はホームの利というのがそこにあるんでね。普段の生活の延長線上で生活できるんでホームがいつも強いといわれるのはそういうところなんですね≫

「主催国(開催国)が今まで予選を突破できなかった事は今まで無かった?」

≪そうですね。16回過去あった中でホームのチームが予選を突破できなかった事は1回も無かったですよ。ホームの国は予選リーグを突破する義務を負わされているともいえるんですがね。まあそれをいうのもね100回の歴史ならともかく16回の歴史ですから。≫

「私も言わない方がいいと思います。一応そういうことがあるそうなんですけども。だからみんなで応援したいと思うんですね。それにしてもテレビ(ワールドカップ中継)をどのくらいの人が見るのか分からないくらいの人数だそうですね?」

≪まあオリンピックと比較すると前のシドニー、その前のアトランタというのはのべにして190億人の人がテレビを見たといわれてるんですね。でこの前のフランスのワールドカップは380億人の人がテレビを見たと言われてるんですね。≫

「え!!オリンピックの何倍も」

≪もちろんのべですけども。こんどの日韓共催のワールドカップは400億人以上の人が見るだろうと。それで決勝戦は20億人以上の人が見るだろうといわれてるんですよ。≫

「60億人ぐらいですから」

≪3人に1人が見る計算ですからほんとかなって思わんでもないですけどね。≫

「大体の人が見るってことになりますよね。」

≪一番大きなイベントという意味ですけどね。日本で決勝戦があるという事はそれだけ世界の人が日本に注目するという事でそれも意味があることですけどね≫

黒柳「今皆さんがご覧のこの局で6月14日に日本対チュニジア戦の放送をいたしますので、これは放送の権利を取るだけでも大変だったそうですけども。ベルギーにも勝ちロシアにも勝ちそしてチュニジア戦といってくれればいいですけどね」

川渕≪最悪の場合でもベルギー、ロシアにも引き分けてもいいんですよ。でも両方に負けちゃうと仮にチュニジアに勝っても決勝トーナメントに出れない。ですからチュニジア戦はこれに勝って決勝トーナメントに出られるということを心から願っています。≫

「私のカンとしては私のカンなんて全然当たらないと思うかもしれないですけども日本は今回強いんじゃないかって思うんですよ」

≪ああ、そうですか。当たるかもしれませんよ(笑)≫

「そんなこと言ってと思うかもしれませんけども。これから日本の選手がどうしたら強くなるかということをコマーシャルを挟んでうかがいます」

≪はい≫

黒柳「これから日本のサッカーはどういう風にしてゆけばいいですか?」

川渕≪やはりいい選手をどう育てていくかこれが全てですね。いい選手さえ育ててゆけば日本のサッカーの発展は間違いないですね。フランスやイングランドなんかは幼稚園児もっと下から英才教育をやっているんですね。いろんなスポーツを教えて身体機能を高めてある年齢からサッカー専門にしていく。そういうエリート教育をして今があるんでそういう国に追いついていくにはそれ以上の事をやらなければいけませんね。それは保育園児ぐらいからエリート教育を思い切ってやってみよう。それはサッカーの選手を育てるんじゃなくて人間的にも立派に育つような仕組みを作ろうという事で今年からスタートするんですよ。≫

「そうですか」

≪ですから10年20年後にはちゃんと機能すれば世界のベストテンに常に入っている日本サッカーがそこでできるということでJリーグアカデミーというんですけどもこれをぜひ成功させたいと思います≫

「私が川渕三郎さんが素晴らしいと思うのは私がもっとも尊敬している吉岡タスク先生という小学校の低学年を教えている先生にお習いになったというね」

≪はいそうですね(笑)≫

「それと中田さんなんかが海外に出て活躍されてるんですけどもこれも大切だと」

≪一番大事ですね≫

「さあいよいよ始まりますのでみなさん心から応援しましょう。それと気持ちよくみんなができるようにね。あと私達はどうすればいいですか?」

≪祈ってください≫

「ああやっぱりそうですか(笑)。全部お回りになるんでしょ。お気をつけて。よろしくお願いします」

タイトルとURLをコピーしました