本日の徹子の部屋ゲストは若村真由美さん

2002年2月27日

黒柳「あなたはそばが好きなのは分かるんですが自分で粉をこねて打って毎日食べてらっしゃる」

若村≪そうですねそば屋さんのそばみたいに本格的なのはあんまりなんですがインスタント食品みたいな作り方でボールみたいなのでこねてピザみたいに広げて切ってゆでて好きなだしで食べる≫

「水団とはだいぶ違うの?細いの」

≪切ってますから。いい粉をいただいて引き立てで茹でたてでかなりおいしくいただけますね≫

「そばって水はどこでとかあるじゃないですかそんなにピザみたいに簡単にやっておいしく?」

≪おいしいです。専門店で何年も修行をされた職人さんがやられたものはまた別の芸術品というか洗練された感じがあるし自分で作るものはまた違うおいしさ≫

「俳優さんとかでおそばが好きな人と話すとすごい言い争いになって」

≪そんなことないですよ≫

「あの2人にはそばの話をさせるなって言うぐらい」

≪一日一食はそばを食べたいという気持ちで今舞台のお稽古をしているんですけど行く前に一杯引っ掛けてお稽古に≫

「すごいですね。時々いらっしゃいますねいいお蕎麦屋さんにいくとお酒を飲んでる人。稽古前にお酒飲んで大丈夫」

≪引っ掛けてっていうのはお酒じゃないです。≫

「あなた引っ掛けてっていうとお酒ですよ。なにを?」

≪おそばを≫

「お酒かと思いました」

≪本当はお酒を飲みながらおそばを食べられたらいいなって思うんですが練習中で≫

「でもあなたはいい店だといわれたら行かないと気がすまない」

≪やっぱりおいしいといわれたら行かないと気がすまない≫

「というのもあなたは長野の方に山村留学というのがあってそういうのをしてらしたんですって」

≪いわゆる私は東京生まれ東京育ちなんですが住民票も全部移して農家でホームステェしながら小学校に通う≫

「1人で」≪はい≫

「そこの家には子供はいましたか?」

≪いいえそこには大きいお姉さんとお兄さんがいて。信州だったのではじめてそのとき蕎麦(そば)の美味さを知って≫

「ホームシックとかならないの」

≪最初は泣きましたね。3日間ぐらいは泣いて4日目からケロッと忘れて楽しくなって≫

「そこのお家で作ったお蕎麦を夕日が沈むときに食べたのが良かったんですって」

≪ああ、もちろん農家なんで蕎麦畑があるんですよね私たちもお手伝いをした後お母さんが蕎麦を打ってくれてお父さんが山に生地うちにいってそれでだしを取ってその後それをいただいて働いた後だったから余計に美味しかったのかもしれないですけど≫

「畑で食べるの」

≪そのときは≫

「何年生ぐらいまでいたの」

≪5,6年生ぐらいまで≫

「割と長く。そのときの思いでは強烈でしょう」

≪はい≫

「でも女優をなさるわけですからこの仕事をしていくわけではいいですよね」

≪そうですね。でもこの仕事じゃなくても大きなものをもらったような気が≫

「とくに農村の人たちのどういうところが大変でそういうところが幸せとか見られたわけでしょう」

≪そうですね天候とか農作物を育てていくというのが大変というか≫

「私も疎開してましたからどういうところが大変か知ってますし見てよかったと思います。山村留学は今もあるんでしょうかね」

≪あると思います≫

「子供さんをそういうところに送ってみるのもいいかもしれませんね」

≪私にとっては良かったです。その子その子に個性があってどういう時期に親元を離すかっていうのもあると思うんですけど。私には良かった≫

「おまけにっていうかその経験もあり日舞のナトリでもある。小さいときからやってらして」

≪はい3つから≫

「そうすると所作、時代物をやっていると」

≪はじめてこのお仕事で時代物をやったのが大河ドラマだったと思うんですけどそのときはものすごく緊張してたんですけど同じ位の年の人に比べたら着慣れているので着物を着ることを知らなければものすごく自分が大変だったろうなって思います。親に感謝しましたねやらしてくれてありがとうって≫

「娘道成寺をやるんですから練習したんだと思いますけど」

≪そうですね物心ついて座るようになった頃から能とか歌舞伎とか劇場中継をみせるといい子にしてたんですって≫

「へえーー好きだったの。だから日舞ってお思いになったのかもしれませんけど」

≪他にもお稽古事はしたんですけど踊りだけは止めたいと思ったことは無かったんで≫

「山村留学の時だけは止めて」

≪そのときももう一年居たいなっていう気持ちもあったんですけど日本舞踊のおさらい会があったんで帰ってきたんですよ。そのぐらい好きだったんです。どっちも好きだったんです≫

「なにかヒマラヤにお登りになった。これもお仕事で」

≪そうです。しごとでハイビジョンスペシャルで一ヶ月≫

「なんでも長野の山村留学のときに山の遭難のことをずいぶんお聞きになったんですって」

≪北アルプスが前にあるので冬になると必ず遭難している人が何名ってニュースできくんですね。で聞いてから学校に行くんですけどアルプスに向かって山を下っていくんですが”あの山に遭難している人がいるんだと”思うと胸が一杯になってしまって何でわざわざあんな危険なところに登りに行くのって。命を落としたら家族も悲しむしとおもって憤ってたんですね。子供心に怒ってたんですね。毎日学校に行くたびに泣きそうになってたりそういうのもあって山登りがしたいと思ったことはないんですが仕事をいただいたときに世界一高いエベレストに世界一高いトレッキングポイントから登るのがコンセプトですと。世界一高いところというのに引かれて”世界一高いところに行ったらどういう気持ちがするんだろう”って≫

「あなたは何と言う山に登ったんですか?」

≪私はトレッキングポイントでカラパタールの丘というところがあるんですがネパールでは6000メートルまでがトレッキングそれ以上が登山。この山は5500メートル≫

「じゃあトレッキング」

≪ネパールでいえばですけど≫

「大登山ですよね」

≪まずカトマンズに行きましてそこからルクラというところまで行ってあとひたすらエベレストのほうに向かって歩くという≫

「あなたは山に登ったことがあるんですか?」

≪ないです≫

「体力には自信がある?」

≪そうですね大きな病気もしたことはないですし≫

「運動はしている?」

≪特別なにか鍛えているというわけではないです。無名塾の塾生の頃ははしってましたけど。トレッキングというのはポーターの方をたくさん連れてコックさんも連れて大名行列みたいな感じなんですよ≫

「ピクニックの遠征っていう感じで」

≪お姫様気分で荷物も牛が背負ってくれますから≫

「コックさんがとてもお上手なコックさんだったんですって?」

≪ネパールの男の子で日本人の隊に付くということで1週間ぐらい日本食を勉強して≫

「どういうものがでるんですか?」

≪すっごくおいしい野菜がでたんです。サグっていう野菜なんですがそれはですねえ向うのほうは乾燥しているからかすごく甘味があって小松菜に近いのかな≫

「あなたが登ろうとしているのはカラカタールという5545メートルの山なんですけどそこでお祭りの人が」

≪私たちがいたところにお祭りの人がお家お家を転々と来てくれて音楽と踊りで私も一緒に踊ったんですけど≫

「そしてカトマンズから何日ぐらいで目的地まで」

≪全体の歩いてたのが21日間歩いてたのでそれの半分ですから2週間ぐらいですかね≫

「歩いたことのないあなたが頂上まで歩いたのは大変でしたか?」

≪普通は3000メートルぐらいから障害が出てきてでもそれはいいんです体をならして少しづつ上に行くんですけど私は5000メートルまではすごく元気だったんです。お代わりはするし、歌は歌ってるし毎日楽しくてしょうがなかったです。自分の足を1歩前に出すということがこんなに楽しいと思ったことがなくてそしたら明日頂上に行きますっていう前の日の夜中に具合が悪くなってきて≫

「びっくりしたでしょ自分でも」

≪朝になって梅干を入れたお湯を飲んでそれまで一食も欠かさずお代わりしてたのに。とにかくいけるところまで無理をしないで行きましょうということで7時間ぐらいかけて頂上まであがりまして≫

「本当ならすっといけるところを」

≪どうでしょうねそこは高度さが結構あるのでそこは大変なんですけど≫

「頂上はいかがでした?」

≪言葉にならないですね。360度8000メートル級の山々であとは宇宙の色と冷たい風。一番上まで行ったら具合が良くなっちゃたんですよ。いっぺんに良くなっちゃって≫

「変わってるわねあなた。そのときうれしかった」

≪今から考えると自分にとってすごく大きなことでシンプルに生きていきたいとなぜかすごく強く思っちゃたんです≫

「だからみんな山に登るんですね」

≪そうかもしれないですね≫

「さてお仕事の話に戻るとあの歌舞伎の三之助さんと演舞場で」

≪私は新之助さんと兄弟の役で今葛藤してます≫

「そう楽しみでしょう。どうもありがとうございました」

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