2002年4月3日
黒柳「ウェディングドレスといったら桂由美さんなんだけど芸能人で一番初めに桂由美さんのウェディングドレスをとおっしゃってくださったのは」
桂≪小林千登勢さんなんですね。キョウリツの後輩で≫
「学校の」
≪はい学校の。それでうちしか無かったというのもあるんですけどちょうど店を作って1年目ぐらいに来られましたね。芸能人では初めてですね≫
「ちょうどあの頃小林千登勢さんは純真なお嬢さんで女優さんでね。小林千登勢さんは桂由美さんのウェディングドレスで結婚されるんですけど(小林さんの)お嬢さんが結婚される時」
≪ええ、本当にめずらしいって言ったんですけどお母さんが着てよって言っても普通はお嬢さんは「いやよ」っていうんですけどとても倹約家の方というかつつましいお嬢さんなので「ぜひお母さんのを着たい」とおっしゃって直しましてね≫
「(小林千登勢さんの)背が高かったので下の方を直したって小林さんが言ってました。お嬢さんの方からままのが着たいわって言うところがとても素敵だったと。ローマでも世界中のいろいろなところでファッションショーをやってらっしゃるんですけどビデオを見てただくんですけど・・ああ私の着ているのあれですね(※今日の黒柳さんは桂由美さんのウェディングドレスを着ている)どんなのかとお思いでしょうけどこのレースはものすごくいいですね」
≪パリのソルティスっていうオートクチュールの方しか使わないレースです。このレースは20年以上使っているんですけど何度も新しい柄を持って来てもらっているんですけどこれ以上の繊細でエレガントなね(ものはない)≫
「ああそうなんですか胸のあたりがなんて綺麗なんだろうって。おまけにですねこれ(※腕の部分のレースをさして)一枚と思われてるかもしれませんけど下にお袖があって上にレースが着ているので肌が綺麗にうつる」
≪二の肌が出ると≫
「なるほど。それに後ろにものすごくボタンが付いてる(※背中部分にジッパーの代わりに数十個のボタンがついている)」
≪あのねえ桂由美ってすぐに分かるようにしてくださいってお客様に言われて≫
「ああそう」
≪昔はよくやったんですけど今ははめるのが大変なので≫
※たくさんのボタンをはめるのが大変
「ショーの時は和紙ですよとか光が貯まるような生地があるんですって?」
≪そうですねウェディングドレス1着だけで本当はお色直しをしていただいたほうが良いんですけど時間的に席を抜けたくないっていう方は1着で通されますでしょ。だから花をつけるとか変化をつける必要があるわけですよ。その時にやるといいんじゃないかって開発した社長さんがいるわけですよ。光を吸収してためるんですねで光を消すと今度は逆に中から発光するわけですよ≫
「すごいですね。いろいろな可愛いものがあるそうですけど外国の方って可愛いいだけじゃダメなんですって?」
※外国では可愛いだけのウェディングドレスは好まない人もいる
≪ええ今はいいんですけど日本も高齢の結婚が多くなりましたから。でも以前は可愛くてロマンティックっていうのが絶対でしたでしょ。私がはじめてアメリカに行ったのは1981年ですから20年前に(アメリカ人の方が)「すごくこのドレス生地もいいし仕立てもいいしデザインも素敵だけどかわいらしいドレスが多すぎるは」って言われたんですね。年齢が幅広いからもっと大人っぽい物を作らなければいけなくて≫
「大人っぽいものもなくっちゃって。」
≪それで”由美ライン”ができました≫
※ここで由美ラインのドレス写真が登場
「見てくださいウェストが絞られていてヒップが女らしくなっていてひざの下ぐらいから緩やかになっていて難しいと思うんですけど切れ目ないんですよねどこも」
≪そうです。切れ目のあるのはマーメイドラインって言うんですね≫
「これはセクシーでいいってみなさん?」
≪NYで(黒柳さんと)会ったことありますよねあの頃ショーをやってたんですね。背の高い人たちがああいうのを好んで着るようになったんですけどまだアメリカでは誰もやっていないというのでアメリカのデザイナーの方やバイヤーの方が”由美ライン”って付けてくれたんですね。≫
「アメリカの方が(名前を付けた)」
≪アメリカのほうがずっと先だったんですよ≫
「普通はあの頃はウェストでしぼってふくらませるというのが圧倒的に多かった時代にね。こんな風に体の線がでて本当にセクシーですものね。これはあちらの方が」
≪そうですね20年経って日本でも相当流行っています≫
~ローマで行われたウェディングドレスのショーのVTR再生~
黒柳「きれいですね。人間の目はすごくいいのでどんなにいいカメラ、レンズをもってしても人間の目のようには見えないんですけどでもずいぶんいろんな材質があるんですね、さっきおっしゃった光ファイバーで刺繍したものとか」
桂≪それが一つとそして蓄光ですね。一番効果的なのはブーケなんですけど光が消えたらブーケだけを七色に光らせる。≫
「みなさん楽しみが増えますよね」
≪これはイタリアでもすごい評判になりました≫
※明かりが消えると絵が浮かび上がるドレスのこと
「これ具体的に絵がかいてあって明かりが消えると絵が見えるように」
≪そうなんです≫
「そのほかたくさんご存知のように桂由美さんはたくさんデザインされているんで見せていただこうと思ってるんですけど。一生に一度のことであるので(※結婚のこと)」
≪私たちは毎日花嫁さん作りしてますけどまあみなさんにとってはね≫
※ここで肩を出したドレスの写真が登場
「肩出したなんていうのもね昔はあまり出さなかったですから」
≪そうですね今はみんなすごいですね。一番すごいのは私のNYの店で毎日毎日ベアトップ。向こうではお色直しないですから胸から上が全部出て、背中も大きく開いて≫
「ああそう。じゃあかなりすごい」
≪いわゆるSEXYの頂点のとこまでいってますから。≫
「体の綺麗な方はお見せになるのもいいと思いますけど。NYにもお店をもってらっしゃるんですか」
≪はい≫
「ウェディングドレス専門の?」
≪はい≫
※スタジオに飾ってあるドレスについて
黒柳「その光を蓄えておいて光るっていうお色直しに丁度いいっていうねえ見たところは普通のウェディングドレス。由美ラインっていうのは世界中に流行っちゃってるそうですけどこれもお花のとことかは暗くすると光る?」
桂≪そうなんです≫
「これは面白いこころみですね」
≪そうですねこれからはハイテクと伝統の融合だって言ってるんですけど。ドレス自体はねトラディショナルな物でもねテクニックはね≫
「でも面白いのは(※お客さんにドレスを薦める時に)昔はみなさんこうしてらっしゃいますとか言うと”それにしてください”とかいう人が多かったのに今は反対なんですって」
≪本当にお友達がこうしてやったからわたしは同じようにはやらないとかね。≫
「これは誰もお召しになってませんとかいうと”じゃあそれがいい”とか言う。個性的な時代になったんですね」
≪そうですね。さっきイタリアでショーに出したようなものありますよね着たいって言う方もいらっしゃるんですね。≫
「それはやっぱり目立ったら面白いですものね。それからあっと言わせるのも面白いものね。今までは新郎新婦の出方で目立つものが一杯ありましたね空中飛んだり。ウェディングドレスそのものに変化がつくっていうのがね。だから初めの頃の97%着物の時代はお店お出しになってもほとんどお客さんがいらっしゃらなかったんですって」
≪1月で3、4人ていうところですね。10年間くらい給与が取れなかったんで自分の。要するに使ってる人たちに給料支払いますよねあと生地を仕入れたりそしたら収入がなくなっちゃうんですね。どうして生きてたのっていうと母の学校を手伝ってまして。ドレスメーキングの学校を今は私が後ついでるんですけど≫
「なんていう学校ですか?」
≪東京文化デザイン専門学校と美容専門学校を2つやってるんですけど。≫
「そこから給料をもらって」
≪月・水・金学校に行って教えて給料もらってやってましたね。≫
「今は大変な時代を生き抜いていかれたんだと思いますけどさっきもいいましたけど97%の人が当然着物で結婚すると思ってた時代にほとんど100%近くウェディングドレスっていう風になってきたんですから。一番最初にお店をお出しになってからどれぐらい?」
≪38年。それからオリジナルみんな同じ・・司会者のしおりって言ってみんな同じ文章なんですよ≫
「ああ”お日柄もよく・・”って」
≪そうそう名前が違うだけで。それが今はもう自分らしい結婚しきっていう風になりましたでしょ。それは楽しくなったんですけど問題は無し婚とかジミ婚とか≫
※無し婚・ジミ婚=結婚式なし。地味な(お金をかけない)結婚式
黒柳「それにおなかが大きいので新郎妊婦の入場ですって。いろんな時代になってきたのでおかしいんですけど。そちらにも何ヶ月(※妊娠何ヶ月のこと)ようとかはある?」
桂≪昨日の厚生省のニュースで4分の1って(※できちゃった結婚のこと)って書いてありましたけどそんなものじゃないだろうてみんな言ってますけど。40%ぐらいはいってると思います≫
「結婚する時おなかが大きいお嫁さんが。いずれにしても30歳から34歳の男性で49.2%が独身であるということで半分が結婚してない」
≪はい≫
「女の人は3分の1ぐらいだそうですけど。どんどん結婚しない子供も生まないっていう風になっちゃうとすごい人数が減っちゃうんですって(※人口が減る)。2500年になると日本人って50人になっちゃうって」
≪今のままの比率で減っていけばですね≫
「大変ですね500年後に50人になっちゃったら」
≪どっかで考えないといけないですね≫
「でも桂さんは結婚してらしたんですね」
≪はい。子供は生めなかったですけど≫
「その時はウェディングドレスはお召しになったんですか?」
≪式が無かったんですよね。神道でもない仏教でもないキリスト教でもないということでどうやってやるのって今私シビルウェディングていうのをやっているんですけどそれが無かったんで披露宴だけでしたからイブニングで≫
「お召しにならなかったんですか」
≪はい≫
「残念なことにご主人は17年後に亡くなられたそうですけどやはりみんなに綺麗なウェディングドレスを着てもらいたいでしょ」
≪はい≫
「ジミ婚とかしないで。またいらしてくださいありがとうございました」