本日の徹子の部屋ゲストはリン・テイラー・コルベットさん

2002年7月12日

黒柳「今日の客様はブロードウェイからのお客様なんです。活躍されている振付師・演出家でいらっしゃいます。良くいらしてくださいました。なんと言っても今ブロードウェイでは女性の振り付け師が初めてと言ってもいいぐらい注目される時代がきたようで」

リン≪その通りなんです。最近たくさんの女性振付師が出てきました≫

「あのなんとお呼びしたらいいですか?コルベットさん?リンさん?」

≪リンでいいです≫

「リンさんは3回目の日本に来てのお仕事だそうですけども1回目はレイチャールズさんのCMの時の振り付けで」

≪そうなんです。お酒のCMで振付けたんです。2回目は大阪の花博でした。ダグラストロンボーンのエーカーコラボレーションを一緒にしました。≫

「2001年宇宙の旅のスタッフのみなさんと一緒に」

≪そうです。2001年宇宙の旅のSFの担当だったんです。≫

「今度が3回目なんだそうですけども日本のホテルが禁煙になっていて驚いたって」

≪(笑)そうなんです。吸った事は無いんですけども、パートナーに言ったんですけども日本は禁煙になっていてあちこちきれいになっていてビックリしました。≫

「前は吸っていいということだったので」

≪そうですね前に来たときはみんなたばこを吸ってましたから。≫

「ここにマステロ・マストロアーニさんというイタリアの俳優さんが来た時にかれはひっきりなしに吸ってるんですけども「日本はいい国だ」って。タクシーの中に灰皿があったって喜んでらっしゃいましたけども(笑)」

≪ハハハ(笑)≫

「段々日本も吸えなくなってきましたけど。」

≪それはとっても良いことだと思います。もっとみんな健康になっていいんじゃないですか≫

「あの日本の食べ物はいかがですか?」

≪大好きです。今一生懸命日本の色々なお料理に付いて勉強してるんですよ。野菜が素晴らしいですね。日本の農家の方たちががんばってるんだと思いますね。≫

「NYに住まわれてNYにはたくさん日本料理屋さんがあるんで(日本食には)事欠かないと思いますけれども」

≪日本食が大好きでNYでも良く食べています。ただ生のお刺身などはダメなんですね。他は全部好きです。ただ日本のほうがおいしいですよね≫

「私この間NYに行って驚いたんですけども”そば日本”でほとんど(のメニュー)がざるそばなんですけども、そこでおそばを汁につけて(外国人が)日本人のように食べてるのを見て本当に驚きました」

≪それは面白いですね。どんどん人気が出ているのだと思います。それに日本人の人もたくさんNYに住んでますし。≫

「(店内に)日本人の人はほとんどいなくておそばを食べてるのにはビックリしましたね。」

≪そうですか≫

「今日のお客様は振付師でその話は後で伺うんですけどもシングルマザーと伺ってますけども」

≪そうです。子供(息子)が6歳ぐらいからシングルマザーで今23歳になってます。ハンサムな息子です≫

「俳優さんにお成りになってるんですね。」

≪俳優になったばかりで大学を卒業したてなんです。シェークスピアフェステバルをパブリックシアターで勉強中なんです。かれは演劇が大好きでぜひ俳優になりたいと。息子は元々インディアンの血がまじってるんです≫

「彼のお父さんは元々ネイティブアメリカンの血を引いてると」

≪一部です≫

「私の友達にもいらっしゃいますけども才能に優れた方でアメリカにはずいぶんいらっしゃいますよね」

≪そうですね。かれは一部日本人の血が入ってるんじゃないかと思われることもあるんですよ≫

「インディアンとさっきおっしゃいましたけどもその中には本当に日本人としか思えないという方もいらっしゃいますよね」

≪そうなんです≫

「仕事をしながらお子さんを六歳の時から育てるのは並大抵のことではなかったと思いますけども」

≪時には大変な時もありました。100%母親で、100%キャリア両方ということは大変難しいので。ただ私の母が一緒に住んで一緒に育ててくれたので。しかし1週間以上家を離れることはしませんでした。だから息子とはいい関係を持っています。友達のような≫

「1週間以上離れるツアーもあったと思いますけどもそういう時はどうしてらっしゃたんですか?」

≪(公演先の)町に行くと私を雇ってくれた人に私は1週間以上いられないのでいったん家に帰って、または自分で航空チケットのお金を払ってやりました。でもなるだけ子供とは離れたくないと≫

「シングルマザーにとって大事な事は抱いてやるというか、あなたのことを忘れてないということを示す事が大事?」

≪そうですね。それから精神的にどういうことが起こってると話をすることが大事ですね。どういう気持ちなのかどう思ってるのかまた私が感じてる事を話してやるというのも大事ですね。仕事の話などをよくしました≫

「彼は心の中身をお母さんに話してくれましたか?」

≪他の男の子と比べてよく話してくれたと思いますけども。母親と話をするということは嫌いではなかったと思います。≫

「なるほどこの方のお母様がいらっしゃったということは非常にラッキーだったと思いますけども」

≪そうですね。彼女(母)もアーティスだったんです。画家で詩も書いてました。≫

「日本でもシングルマザーが増えてるんですけどもシングルマザーにとって大事な事は何だと思います?」

≪できるだけ自分を支えてくれる友達のネットワークを作る事ではないでしょうか。孤立してはならない。他の同じような立場の母親たちと話をするということでしょうね。自信を持つということです。子供をしっかり育てられるんだという自信を持つということです≫

「孤立はしないほうがいいですよね。」

≪やはり自分たちの周りにネットワークが必要でしょうね≫

「リンさんは常に夢というか希望、情熱を常に持ってることが大事だと思ってらっしゃる」

≪非常に運が良かったと思います。ダンサーとして振付師として始めて今は演出家にもなっています。ラッキーだと思います。長年この世界でやってこれたということです。私この世界が大好きですし大好きな仕事をしていますし。でもそのためには一生懸命がんばりました≫

「あのブロードウェイで人から抜きん出るにはどれほどがんばらないといけないかって。ほとんど失業している人が多いブロードウェイですからね」

≪失業者はおおいですね。特に演劇の世界では。ブロードウェイで仕事があろうとダンスカンパニーに所属してようとそれはどうでもいいんです。好きなことをやってられるということが大事ですね≫

「私が1971年今から30年前ですけども1年間ほどブロードウェイで勉強してました時に女の演出家の人は全くいなかったです。振付師の人もいましたけども名前が出てくることはありませんでした。ここにきて女性の振付師、演出家の人がバーンとでてトニー賞にノミネートされるのが全部女性になってきたというのは本当に心強いと思います」

≪励まされますし、若い女性が勇気を持って我々の後に続いてくれると思います。≫

「この方のやっているお仕事をVTRで見ていただきたいのでちょっとコマーシャルです」

≪(うなずく)≫

黒柳「私がブロードウェイで勉強していた時に私の演劇の先生がどんなに演出家になろうとしても女性の演出家はいらないっていわれちゃってとうとうなれなかったんですね。私そんな事信じられませんでした。あの女の人が強いアメリカでって思ってたんで」

リン≪女性は以前に比べると力をつけてきてますね。プリデューサーも増えてますし女性の演出家も増えてきています。ただ長い時間がかかったということですね≫

「例えば女性では”コンタクト”というのを振り付けなさいましたスーザン・ストロマンさんと言う方が今大変に評価されている。”ライオンキング”のお人形も作って演出もされたジョリーテイモアさんも評価されてます。素晴らしい事は2000年にこの方も入ってたんですけどもノミネートされた振付師3人とも女だったということですね。トニー賞というのは舞台のアカデミー賞と同じものなんですけどもその時はスーザン・ストロマンさんがお取りになったんですかね」

≪そうです。ただ全員が大変名誉な事だと思いましたね。お互いに尊敬してますしね≫

「ダンサーの人もどんなに拍手したかと思います」

≪Yes≫

「さて今日ここに来ていただきましたのは日本ツアーの”Swing”というのが始まるんですけどもそれの振り付けをなさいましてとにかく大変な種類の踊りがあるんでダンサーの人たちも大変だったと思うんですけども?」

≪いろんな種類のダンスをショーの中に取り込んでいるんです。”リンディー・ダンス”というのはリンディー専門の振付師が振付けてくれました。それからウェストコーストスィング、ラテンスィング大変な種類のスィングを入れ込みましたので1つのショーではなく色々な要素が盛り込まれてると。≫

「あの踊りのビュッフェと言ってもいいとおっしゃってるんですけども。バイキングと言ってもいいと思うんですけどもいろんな種類の踊りを取り入れてると。リンディーとおっしゃいましたけどもこれは振り回したりして飛んだりしてリンドバーグの大西洋横断からきたものだそうです」

≪そうなんです。あのリンドバーグが大西洋横断を成功した時にみんなが飛び上がって喜んだんでリンディーホップと。≫

~舞台”Swing”VTR再生~

「いやいやこれはすごい数の曲数を踊るんですねみなさん?」

≪数えた事は無いんですけども≫

「けが人が絶えないということなんですけども」

≪それはずいぶん減ったと思いますよ。ショーを成功させてできるだけケガをしないように。これは大変な数の踊りがあるんで若くて健康じゃないと≫

「99年から2000年にかけてブロードウェイで上演されたんですけども感動して泣いた方がいらしたそうですけども。お客様で」

≪そうですショーの中でUSOというGIのクラブの場面があるんですけどもカップルが愛し合っていてダンスをするんですけども、でもその後に戦争に行ってしまうという悲しい場面があるんです≫

「それから客席で踊っているお客様もいたそうですけども」

≪そうなんですみてる観客の方々も踊りだしてしまうという≫

「ジャンプするリフトするそれから逆バンジーなんかもあるそうなんです。コマーシャルを挟みましてこの方がお好きだそうですけども逆バンジーというのがあるそうなんでその逆バンジーの稽古風景のVTRがあるそうなんで短いですけどもご覧に入れたいと思います」

≪≫

黒柳「稽古風景のVTRなんですがご覧いただきたいと思います~VTR再生~あらーこれを毎日おやりになるわけですので。2時間踊りっぱなしで衣装をどんどん変えるのでこれはもう大変ですよねダンサーの方は。」

リン≪もう本当に大変なんですよ。舞台から走って帰ってきて衣装を破るように脱いで。でもみんな楽しんでやってますから。ダンサーは普通の公演だとあまりすることがないので困るようなんですが今回はやることが一杯で本当に楽しんでますね。≫

「”フットルース”高校生が禁止されているダンスを卒業式でやろうという、田舎の方なんでダンスなんかやると不良っていう時代にそういうところでやるのも振り付けなさったんですね今日のお客様は。それでその中の音楽は日本のドラマの主題歌にもなったんですね”ヒーロー”とか”ネバー”とかフットルースの振り付けもなさった方なんですけども。」

≪世界中の人たちが言葉は違ってもわかると思うんですよ。このダンスというのは本当にナチュラルであの映画を見てみんな心に感じるところがあったんではないでしょうか。心の中奥深くを表現するものですから。とってもヒットしました世界中で≫

「あのフットルース日本で見た方もいたと思います。スケジュールCMを挟んで申し上げますんでぜひみなさん行ってもらいたいと思います」

≪≫

黒柳「すでに始まっているんですけども7月28日まで渋谷のオーチャードホールでやっております。7月30,31日は横須賀の芸術劇場ですけどもこのキップは完売してしまって残念です。8月2日から4日は名古屋の市民会館です。8月6日から11日は大阪厚生年金会館大ホールです。ブロードウェイまで行かないと見れないものが日本で見られるんですからとてもいと思います。このスイングを見てくださいというところはリンさんどういうところが(見所は)?」

リン≪スイングは特に特別なショーなんです。大きなパーティーに参加しているような気分になりますよ。色々な登場人物が色々な要素をもってますし、これはアメリカのフォークダンスのようなものかもしれません。1930年代のハーレムの文化そのもの。黒人の文化も盛り込まれてますしアメリカ人にとって特別なショーだと思います。世界中にアメリカの文化を見せることができると≫

「だからこの年代の音楽が大好きな方がたくさんいらっしゃると思うんですが若い方にも見ていただきたいというのもあると思います。こういうものがあると知っていただいてみなさんが生きていくうえでの情熱の足しにでもなればと思いますけども。日本での成功を祈っています」

≪ありがとうございます≫

「それから息子さんの写真がテレビに映ってまあよかったわっておっしゃってましたけども。ご成功をお祈りしています」

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