2002年9月13日
黒柳「まあみなさんご存知のシティーボーイズのお1人でいらっしゃいまして、一頃顔面麻痺になってとても心配していたんですけどもまあよくおなりになってね大竹まことさんです。なんか理由があったんですか?顔面麻痺になった理由」
大竹≪まああんまし言いたくないんだけどもテレビの仕事と、舞台の仕事と、映画の仕事と原稿とFriday(写真週刊誌の名前)が重なったんですよ。≫
「5つもかさなりゃねえ。ストレスもあるんですってねえ。」
≪世間ではフライデーが原因で顔が曲がったといわれてますからいいたいやつにはいわしとけと思ってね≫
「わるかったんですけども去年の5月にですね徹子の部屋25周年というときにあなたとか津川さんとかおいでくださったじゃない。あなたが津川さんに「いつも女の人と一緒にいますね」っていうから私が「あなたはそうなの?」って聞いてさホテルで原稿書いていいのっていったらあなたはテーブルにゴンって頭をぶつけてなげいたりしてたじゃない」
≪その話またここで蒸し返すの(会場笑)≫
「それでなったのかなと思って責任感じたの私」
≪それか分からないけども、正直言うと前の日に舞台で指を突き指したんですよ。それでここ(1の腕)が痛くなって、ここ(肩)が痛くなって、ここ(首筋)らへんが痛くなってその外因性もあると思うんだけども・・・一応フライデーされて≫
「あなたうれしそうにフライデーされてってうれしそうに何回もいってるじゃない。それがおかしいと思う」
≪うれしそうにいってます。でもねえあれはフライデーじゃなくてフォーカスなんですよ。フォーカスは僕の記事出して1ヵ月後に潰れたんですよ。どうして1ヶ月前に潰れないの。もう腹たつ≫
「でもあなたあの時は原稿をお書きになるという理由があったからね。」
≪あったからねって書いてましたって言ってるじゃないですか。≫
「本当に書いたのね」
≪書いたの≫
「だから1人で書いたわけじゃないからそこんとこに」
≪(後ろに倒れる。背もたれに頭をぶつける)≫
「後ろにもたれるものは何にも無いんですよ。ゴメンネ。また顔面麻痺になったら私のせいになっちゃう。」
≪あるじゃん≫
「よっかかりがないのよ」
≪ここによっかかればあるけどもここの継ぎ目に座れって言うから。≫
「足が長くないと向うにいかれないのよ」
≪今いろんな小さな事いいましたよね(笑)≫
「あなたのこと言ってるんじゃなくて誰でもが。ときどきご質問があるんですよ”あんあに背骨で建っていなければいけないのか”って。見ている人がね腰を痛めてる人間なんですが私(黒柳さん)もお客様(ゲスト)も背骨でたってるわけじゃないよっかかりがないから(背筋を伸ばして座っている)見てるとつらいって。どうしてもって言う方にはよっかかりがあるんですよ。入らないと思って出さなかったんだけども。」
≪いらないけども勿体つけなくてもいいじゃないですか。あったらだしてって。≫
「それで原稿を書いたのはいいんですよ。でも1人で書いたのなら話は分かるんだけどもフォーカスが喜んだのは誰か一緒にいて書いたからね。あなたはその事をおっしゃってるわけね」
≪そうです≫
「それはいいんです。あなたがすごいのは顔面麻痺になりながらこの局の”TVタックル”におでになった。私心配してね見てたけども全然わかんなかったの」
≪そうですか。ひどいのはその時僕レギュラー3、4本あったからどの番組にも「顔曲がっちゃたんですけど」と、それに映画もあったの。「顔曲がっちゃたんですけど」と言ったんですけどもレギュラーのうつ3本が出ていいですというんですよ。ちょっと待てよ曲がっても出ていいのっていったら「出ていいです」って言うんですよ。「出ていいの?」≫
「そんなに見るからにひどかったんですか?」
≪後でみるとひどかった。1年経った後ぐらいに別の番組で流されたんだけども物凄い曲がり方≫
「でも知らないとわかんないのね。要するにあなたの顔がああいう顔だって(会場笑)」
≪失敬だね君は(笑)≫
「どうも失礼しました(笑)」
≪たけしさんが事故で顔曲がってるでしょ右半分にたけしさんが居て左半分に俺が居て2人とも顔が曲がってるのよ。(会場笑)顔面麻痺ナスターズとか言われて≫
「ひどい番組ね」
≪うまくしゃべれないんだから≫
「口もしゃべれないの」
≪脳からやられると目と舌が動かないのね。でも外から着てるやつは唇の半分だけが言う事を聞かないだけだからしゃべれるのね。救急病院に行って和解先生が出てきたら「しゃべれんのか!!」って聞いたら「しゃべれます」って言うのね。≫
「どうしてそんなにえばって先生に言うの?」
≪だって舞台をやってる最中だからだめになったら内の事務所が大赤字になるわけ。もう1回「しゃべれんのか!!」って聞いたら「しゃべれます」っていうわけ、でも実際にはしゃべれない。なぜかというと唇半分使うのはパピプペポって破裂音があるでしょ。唇を使うんですね≫
「腹話術でやるしかないのね」
≪人をいっこく堂みたいに言わないでください。≫
「それをはずしてセリフを言ったの?」
≪いやセリフはいえないんだけども”日本(ニッポン)”とかいうのは”ニフォン”、コッペパンもコッフェファンになるの。何言ってるか分からない≫
「歯を抜く時の麻酔の時みたいになるのね。」
≪しゃべれないしお茶を飲むでしょ、飲んだつもりでもこっち(右側)からだらっとでちゃう。それでもっとすごいのは蕎麦を食いにいったんだよ≫
「どうしてややこしいものを食べる」
≪蕎麦がほっぺたに入るのね。人間はここ(ほっぺた)を知らないうちに動かしながら送ってるのね。とここ(右頬)にたまるのよ≫
「そばが。送らないから。猿みたいに」
≪ハハハハハ≫
「猿ってここに貯めるじゃない。」
≪猿ってここにいれて遊んでるんでしょ≫
「いやしまってるんでしょ」
≪猿はいいんですよ。で蕎麦を食わないといけないじゃない。指でかきだしてゴクンって飲むのよ。それでちゃんと飲めるか分からないから薬飲む時みたいに上を向いて飲むのよ。その時一緒にいったやつが蕎麦が非常にまずかったって言うのよ。俺は食うのに必死だから上手いとかまずいとか関係ないのよ。そういえばそば屋の入り口に”バナナジュース300円”って書いてあったのよ≫
「おそば屋さんに」
≪茶髪の兄ちゃんがギター弾きながら出てきたからまずかったかなとおもって。でも俺がすごいのはこういう病気にかかると人に会うのが嫌になるらしいんですよ。曲がってるし、こぼれるし≫
「垂れ下がったりはしてないの?」
≪宍戸錠みたいに≫
「宍戸さんはなおったんだもの。手術したから
≪治ったじゃなくて入れたんだもの。垂れ下がっては居ないんだけどもしゃべんない時は曲がってないのよ≫
「え!!しゃべんない時は曲がってないの?」
≪でもしわがなくなるのよ≫
「ええ」
≪なってみたほうがいいんじゃないですか(笑)≫
「しわのある人は顔面麻痺になったほうが」
≪しわとかは筋肉なの。しわがなくなってつるつるになる。表情がなくなるわけ。しゃべる時にこっちの筋肉が動かないからこっちの筋肉がよせばいいのにがんばるわけ。こっちの筋肉がでしゃばってくるからそれが余計に顔を曲げさせるの。普通の人は引きこもったり、人に会うのが嫌だからというとこの病気は治んない。≫
「じゃあ出て行ったほうがいいの」
≪テレビの仕事が来るじゃない。で映画の仕事がいいって言うんだよ。こんなに曲がってるでしょ。じゃあ明かりも暗くしますからって、じゃあ俺じゃなくてもいいじゃないかって。それでそういうのに出ちゃうと1ヶ月ちょっとで治っちゃった≫
「注射とかはするの?治療はどうしてするんですか?」
≪もう「治れ~治れ~」って≫
「治れ治れ法。薬は無いの?」
≪ありますよ。あるけどもこの病気のことを言いますとこの病気ってかかって4日が勝負なのね。4日以内に薬のんで治療した方がいいのね。俺は舞台があったから朝起きて舞台に出ようとしたら曲がってたからすぐに病院にいったのね。でもこの病気の底はかかってから1週間が底なのね。だから舞台に出てるうちも病気は進行しているわけよ。だからどこまで進行するかわからず舞台に出てるわけ≫
「本人たちは知ってるのかしら?」
≪本人たちって(笑)≫
「ここの筋肉たちはさあこれからもっと悪くなるのかとか。まあいいや寝てらっしゃるからコマーシャルに行きます」
≪≫
黒柳「でこの方の話だと筋肉たちも分かってないと自分も分かってないと。である日あなたの底はみえたんですか?」
大竹≪1週間ぐらいたってここが底だろうと≫
「耳は聞こえなくは無いの?」
≪ちょっと低い声は聞こえづらくなるね≫
「でお客さんは笑わしていたの?」
≪笑わしていた。それで70か80の老教授の役だったのね。曲がっていてもそれほどおかしくは無いの。大竹も役作りが上手くなったとか言われたけども役は作ってなかたのよ≫
「でなにわともあれ病院いく。であなたは芝居をやっていたから少しづつは良くなっていったんですかね?」
≪それがわかんないんです。いつ治ったかなっていう自覚があんましないんですよ。ちょっとこっちに入れた饅頭やそばが引っかからなくなってきたなあていう何日かでなおったのよ≫
「あなたが早くに治りましたって言うから心配してたのよってお手紙差し上げたじゃない」
≪頂きました≫
「向井者雪の降ってる地方に行くと窓に・・・こういう暖房してるでしょ。で外は寒いから汽車の窓によっかかるとここが顔面麻痺になる人がいたんだからああいうところに絶対よっかから無い方がいいって知ってたの」
≪そうなの冷しちゃダメらしい≫
「どっかで冷したのその前に?ホテルで」
≪(笑)たとえホテルに行ったとしてもそこで右頬冷す事ある?氷ここにくっつける事ある≫
「あるかもしれないじゃない。お酒でも飲もうかとか言って」
≪想像力が豊か過ぎます≫
「でも1ヶ月で治ったそれはよかったですねえ。」
≪でも治る前からテレビに出ていいていわれたから≫
「口はしゃべれませんとかいっても」
≪なるべくパピプペポとか言わなければいいんだから。ちょっといっこく堂みたいなことを練習して≫
「パピプペポの変わりに違う言葉でしゃべるとそういう風に聞こえるという事をみなさんなさるんですよね。ビールとかビールといわないで違う言葉でそれを代用しているとか。」
≪それは俺が病気にかかってる時に鍛錬が足りなかったって言いたいわけ?≫
「もちろんそうですよね。でもそういう話を聞くのがね」
≪聞いてみたらそういうのが多いんだって≫
「やっぱりねストレスかしらね。ストレスってどういう形で出るか分からないのよ」
≪しごと嫌になっちゃう人もいるらしいしね。≫
「全然イスに座れなくなっちゃう夏樹静子さんみたいに。あとで分かったんですけども。ある日突然に。全然ストレスなんて無いと思ってらしたのに像言う形で出てくるのね。あなたの場合もお仕事で忙しいとかがあって」
≪・・・≫
「何も言ってませんよ」
≪なにか奥歯にものの挟まったような言い方で≫
「挟まってませ~ん。実は18年前に私達は共演しておりましてコマーシャルでその時初めておめにかかったんですがその時のコマ-シャルが」
≪ある≫
「そうなんですよ。ちょっとコマーシャルです」
≪≫
黒柳「今から18年前に私と大竹さんはコマーシャルをご一緒してお互いを知らなかったんですけども、その時に1番有名な演出家の方がお作りになった”週間住宅情報”。あなたが特に活躍されてるんですけども。ちょっとご覧ください。~VTR~」
大竹≪しゃつほこつけるやついは居ないよねえ≫
「でもあれはすごいインパクトありましたよね。私発見したのは人に物を聞く態度がこの18年の間に乱暴になってますね。”お建てになったそうで”って。今みたいにだみ声じゃないしね。」
≪私も乱暴になってますね≫
「みんな周りの人に影響されるんですかね。でもこういうことが会ったんですけどねあの時にはシティーボーイズは始まっていたんですけどもね」
≪髪の毛も今見たら真っ黒でしたね≫
「あ!全体が黒いのはそのせいだ。でも今のほうがハンサムだと思いますけどね」
≪いやいやいや(笑)≫
「いつかおかしかったのはこれとは話が変わるんですけども25周年できていただいたときには25年前は津川さんとか野際さんとかはどうだったって写真とかで写したら、あなたは当時貧乏だったから写真が無かったのね。仕方が無いから初めて徹子の部屋に出てきてくださった10年ぐらい前の写真をそこに貼ったんですよね。私はこれを見てね貧乏だったからシャツがボロボロって言ったんですよ。襟がね。」
≪そうなんですよこの番組に出たときに徹子さんねえ襟ばっかし見てたんですよ。お金がなさそうで心配してそうな。あれはおしゃれなんですよ。あれはびんてーじというか古着で。あれは自分で自分のシャツを自分で古着にしたんですよ≫
「あらそうなの」
≪着るだけきこんで愛着のあるシャツだったんですよ。その時に黒柳さんが何かをしてあげたいって。≫
「でもねえあなたが勘違いしているのは私が「あなたはお困りのようだからお金を上げます」って言ったって。でもいくらなんでもタレントの人にお金上げますって言わないんですよ。あなたが変な原稿用紙を作って」
≪その”変な”って余分でしょ≫
「その200字じゃなくて半端な300何字っていう原稿用紙を作ったら全然売れなくてそれのお陰でドアが開かないとかいったから」
≪原稿用紙にも悲しい話があるのよ≫
「じゃあコマーシャルいってから。それを買ってあげますっていったのよ。あげますていったのかなって」
≪≫
黒柳「原稿用紙が」
大竹≪当時たけしさんがオールナイトニッポンというのをやっていてでも事件を起こして捕まっちゃたんでその間のつなぎを俺にやら無いかと≫
「フライデーの時のね」
≪フライデーの時の。で”大竹まことのオールナイトニッポンつなぎ”っていつも言わされてたんです。でたけしさんがいつ戻ってくるか分からないから来週もっていうなって言われたの番組で。また来週~っていうと大竹さんそれ止めてください来週はたけしさんかもしれないんですから。だけど俺はオールナイトニッポンやりたかったから夜中2時間しゃべってたんです。番組にはがきが来るんですけどもそれが面白くなってその人たちに何かを上げようということになって番組で原稿用紙を作ったの。で面白いハガキにはそれを出すぞ~っていったときに俺の番組は終ったの。≫
「たけしさん帰ってきちゃったの」
≪そう≫
「それで300何十字ってすごい半端な」
≪その原稿用紙がうちの倉庫にあまったの1回も使わずに≫
「それを買ってあげたの」
≪それをかってもらったの≫
「迷惑しちゃったのよ(笑)」