本日の徹子の部屋ゲストは松岡佑子さん

2001年11月1日

黒柳『みなさんハリーポッターってお聞きになったことは、もちろんお読みになった方はこれから3冊目が』

松岡「でたばっかりですね。」

『終わりは何冊目って決まってるんですよね』

「ええ7冊ありまして原作の方は7冊を書き終えて金庫にカギをかけてしまってあります」

『それをかかれた原作者にお方は生活保護を受けながらシングルマザーで喫茶店で書いたっていうんですよね』

「それも本人に会って本当にそうなのかとたずねたらそうでしたし、コーヒー店にいったら本当にそこで書いていたということでしたし生活保護を受けながらがんばったとういうことで一冊目が」

『その本を出版なさってですねそれで社員がお宅の出版社がですね』

「はじめ私一人でしたけど今は私含めて4人、アルバイトを含めると10何人ということになります」

『ハリーポッターシリーズは今三段目が出ているところでこの方が訳された。私も読んでるんですけど本当に面白くて最初の所から引き込まれるんですね』

「ええ私も原作を読んだときに第一章の一番目の所からはまりまして、一章を読み終える頃にはこの本は私が翻訳するんだと決めていました」

『私は松岡さんの翻訳を読ませていただいたんですけどとにかくたくさんの国で読まれてるんですけど全世界180カ国以上で売られている』

「最初は27カ国語で訳されてるとお聞きしたんですけど今は38ヶ国語で訳されてると、今後は40ヶ国語で訳されることになると言われています」

『これを翻訳なされた松岡さんは通訳をされていて同時通訳?』

「同時通訳の経験は何十年とあるんですけど通訳がらみのものは翻訳したことがあるんですけど文芸書はこれが初めて」

『でもこういう大人が読んでも子供が読んでも面白い本をお読みになるのはお好き?』

「小さいときから本の虫でしたし、通訳になってからは通訳がらみの難しい本が多かったんですがファンタジー物が好きでしたし夢見る少女という感じでした」

『国際労働機関っていう会議の通訳をすごく長くやってらした』

「ええ、ILOは日本語が準公用語として採用されてからですずっとですから20年近くやってました」

『でこのハリーポッターってなんなのっていう方がいらしゃると思うので説明してくださる』

「私もハリーポッターと賢者の石を読んだときはまったく分からなかったんですが、ハリーポッターって言うのは魔法使いの男の子の名前で年齢は11歳という設定ですね、賢者の石というのは中世の錬金術師の使った石なんですが」

『イギリスの方ですからユーモアーが』

「ユーモアーありますね作者と会ったんですが本人もユーモアーがあってしっかりとし自立した強い方です。書きたいものを書くんだというしっかりとした意思を持った方でしたし」

『翻訳をされた方も意思の強い方で何が何でもこれは私が翻訳しなければと思ったそうです。これだけ売れた本ですからどこの出版社も飛び掛っていったんじゃないでしょうか』

「イギリスの場合は代理人が版権を持ってるんですけど本を読んだ一晩で読んだんですがその次の日の朝に電話をしたんですが日本にはまだどこにも版権を渡していないと、ただし3社すでに申し込みをしてきているあなたで4社目だといわれました。あなたにもチャンスがあると言われました。もちろん私は小さなとこですし通訳であって翻訳はしたことは無い。でも本を読んで感動した。でもどうしても私が翻訳をして出版したいということを電話で伝えた所から版権の交渉が始まりまして」

『どのくらいの規模の出版社ですかって向こうは聞かなかったんですか』

「電話では聞かれませんでした。でも私は主人から引継いだちいさな出版社を経営していて通訳歴は何十年とある。とにかくこの本を読んで感動したとお伝えしただけなんです。その後何回とFAXやメールで自分の立場を伝え出版したいという気持ちを伝えそして向こうが小さい出版社なのにどうして売るつもりなのかという質問が来て数回やり取りが合っただけなんです。ですから特に変わったことを申し上げたつもりはないです。2ヵ月後にあなたに決めましたというEメールがきました。」

『そのときどういう気持ちでした』

「ええ100万分の一の確立と思っておりましたからボーっとしましたうれしかったですけどまずボーっとしました。」

『売れた本ですから大手の出版社に頼むと思っちゃいますよね』

「幸いしたのがJKローリングが処女作でイギリス・アメリカでは有名でありましたけど世界ではそれほど知られては居ないという状況の中で自分も大手から出版を断られて小さなブルームズベリーという所から出版したという経験がる」

『そう』

「情熱と能力があれば出来るという情熱を作者がもってたんじゃないですか。私が1番情熱のある出版人であると代理人から聞かされていたから任せたんだと著者から聞いたことがあります。」

『でも情熱があってもこの人が本当に情熱のある翻訳者なのかっていうことがねでもお手紙や何かで向こうは分かったんだと思いますけど』

「ただ私が英語が出来るということがありましたから直接代理人と電話でもメールでもFAXでもやったということは確かでそれは普通ではないことだったのかも知れません。」

『ところでこういってはなんですけどそのころは本当に人数が少なかった出版社なんでしょ?』

「主人がたった一人でやっていた出版社を主人が亡くなって引継ぐことになったんですけど私も本作りを傍で見ていていいものだなあと、もちろん出版が儲からないことも分かってましたけど引継いだときは借金を返す状態で一つでもほんを出すとかえって赤字を出すんじゃないかという条件の中で友人がパートタイムで手伝ってくれて、だんだんひとが周りに集まるようになってプロジェクトチームとしては10人ぐらいで第一巻をすすめました。」

『日本で3話目まででどのくらいの部数』

「610万部になっておりまして」

『この分厚い本が610万部。印刷した所から直接お宅の所に持ってくるんじゃないからいいけどお宅の出版社に持ってこられたら入りきらない』

「幸い私の自宅が出版社だったんですけど今年の2月で別の事務所をかりる所まで成長しましてすこしはスペースのよゆうがあるんですけどただ第一巻を出しましたときに初版が3万部という部数だったんですね。それは無謀だと2万7000ぐらいがいいんじゃないかと言われながら昔3000部しか出してなかった出版部ですからもし本が売れなくて帰ってきても自分ひとりしか住んでない家ですからどっかに積んどけば何とかなるだろうと思いまして3万部生きましょうと決心したのも私ですし」

『ただこんなに厚くて手のかかってる本なのにお値段としては』

「ええ安いと思ってるんですが1900円。3巻目もじつはページ数でいうと20%増えてるんですねそれにもかかわらず据え置きで。でも第4巻はこの厚さですから第一巻の倍の厚さなんですねだから同じ値段というわけにはいかないかと思いますね」

『でみなさんこれだけ売れたんですからずいぶん儲かっただろうとみなさんおっしゃるんじゃあ』

「版権料やいい本を作っているので儲け率は低いのですがうちは少数精鋭の女性3人ががんばってくれてるので効率のいい人件費なのでそういういみでは赤字になることはありません。ただ自宅から事務所を自宅ではなく写すことが出来た利益はあります」

『松岡さんのお考えとしては何代にも渡って大事にされる本にしたいとお考えで』

「21世紀の古典になる本だと思いますし、孫・子の時代に渡って大事にされる本になればなっと思って」

『翻訳なされる方の考えで面白くしようと印刷屋さん泣かせなんですけど字をこういう風に半人前魔法使いって字を大きくする。これは原作の方もやってあるんですか』

「いえここは静山社オリジナルなんですけど。原作者は声の大きい所を字を大きく書いたりそれに挿絵は一切ないんです。この本には挿絵は認められてないんですよ。想像力の世界を豊かにするということで。字という字から想像力を膨らませる工夫をするということはいいだろうということで編集者と一緒にいろいろと工夫しまして先ほどのような文字にしまして」

『お分かりのようにルビがふってあってこのごろは大人にもルビがふってあったほうが読みいいということで』

「活字も大人用よりは少し大きくして、子供用よりは小さくして。ルビもあまりうるさくないぐらいにルビをふって同じページであれば必ずルビがありますよって読みやすいように読みやすいようにしています」

『これに関しては日本の子供ずいぶん読んでるんですって。お手紙ときます』

「今610万部ですから5~6万部の愛読者カードが1巻からきてるんですよ。普通はアンケートの回収率1%なんですけど内は1.4~5%なんです。その中で今までは本を読むと頭が痛くなったけどこの本だけは読めましたとか部屋のドアに面会謝絶っていう札をつけて出てこなかったんですよとか子供が夢中になって読む、もちろんおとなも夢中になって読むんですけど子供がこれほど夢中になって読む本が無かったてことが児童書としての側面がずいぶん取り上げてくれてます」

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