本日の徹子の部屋ゲストは水木一郎さん

2002年3月25日

黒柳「アニメの主題歌を歌ってらしてですねアニメソング界の帝王と呼ばれている。すぐに歌える歌が300曲、持ち歌1000曲以上ということでこの前テレビでその持ち歌連続1000曲歌われて。(アニメソングの)歌詞って似てません?」

水木≪そうですね。愛とか正義とか勇気とかだからごっちゃになることはありますね。≫

「すぐに歌える歌が300曲あるということですけど301曲覚えようとするとはじめの一曲忘れちゃうんですって」

≪どうしようかと思いましたね≫

「ところてん気質なんですね(笑)。すごいでしょみなさんアニメのテーマソングを1000曲歌うって。テンポとか似てるのもあるでしょ」

※24時間で1000曲水木さん1人で歌い続けるというテレビの企画があった

≪そういう曲は曲でまとめておいて後に。”お母さんと一緒”の歌のお兄さんやってましたから≫

「ああそうですか。激しいやつの時は雄たけびっていうか声が入るやつがあるでしょう」

≪「ディアーーーーー」とか≫

「(黒柳驚き後ろに倒れる)いいです(笑)」

≪トオーとかねダッシューとか多いんですよ≫

「でも声の丈夫な方ですねえ」

≪よく声がもったなあと思いましたね≫

「今のような声が間に入るんですから。この歌にはこれって決まっているんでしょ」

≪間奏とか前奏で思いついたものをいってみるとか。自分で気合をかけるんです。300超えたぞ400超えたぞとか≫

「とにかくですよ1000曲を24時間かけて歌いになって一緒の人たちはみんな起きてくれてたんですか?」

※山梨県の野外コンサートホールでお客さんをたくさん入れてこの企画は行われた

≪起きてくれてました。夜中からはじめたんですけど8月の30、31日と。夜中は寒くなるんです≫

「みんな起きててくれて」

≪夜が明けて日がさしてきますよねまたすごくいい天気だったんです。天気は味方してくれたんですけど今度は昼間暑いんですよ。ファンの皆さんは熱いんですけど席から去らないんですよ。僕は日陰に行ってくれって言うんですけど行かないんですね。≫

「お尻も痛くなってねえ若くないとねえ。若い方多くなかったですか?」

≪平均で30代くらいですか≫

「今日は赤いジャケットを着てらっしゃるんですがこれは思い出のジャケットで」

≪これは1997年に赤坂ブリッツというライブハウスでスーパーロボットのライブをやりましてその前まではそういうのはやってなかったんですね。自分もお客さん来てくれるかなっていう不安があったんですが≫

「そこは2000人収容の」

≪ものすごい盛り上がりというか乗せてくださったというのがありましてそれですごい自信が持てたというのがありましてだからすごい思い出で。あのカットブーンという歌手≫

「いました」

≪カットブーンという歌手はいつも靴が汚くて周りの歌手に売れたんだから靴ぐらいきれいにしなさいよと言われたら思い出の靴なんだだから売れてもこの靴を履いてステージで歌いたいんだとそれを(水木さんの)母から子供の頃聞いてよし今日は思い出のまっ赤のジャケットを着ていこうと。8年前に・・・≫

「こちらにおいでいただいて」

※8年前の1994年に水木一郎さんは「徹子の部屋」に出演した

≪それから歌手として自信を持って≫

「そうなんですか。あの時までテレビはやだなって思ってらしたんですってねえ」

≪ええなんかやだではないんですけどその・・・≫

「アニメの歌手というと普通の歌手の方と比べるとちょっと違って見られるというか」

≪当時はアニメの歌い手さんていうと歌手なの?歌手じゃないの?って≫

「子供の相手じゃないのって」

≪そういう風にいわれましたけどねえ。まあ長く続けてよかったなあと思うのは今アニメは世界的に広がってきてますので≫

「”千と千尋の神隠し”もねえ。」

※千と千尋の神隠し=宮崎駿さんの監督作品。アニメ映画。

≪その歌(アニメソング)のほうの歌手のほうも段々声がかかるようになってきて海外で待ってくれているファンの方たちのために声を聞かせようかなっと≫

「今歌手の世界で”アニキ”と言うとあなたのことなんですってねえ」

≪ええ、いつの日からでしょうけど≫

「最近アニメソングなんで”アニソン”とみんな呼んでなおかつみんな兄を尊ぶと書いてこの方のことを”アニソン(兄尊)”と呼んでいる」

≪自分からは絶対言ってません!!≫

「皆さんがそう言ってるということで。この前おいで頂いた時にはちょうど歌手生活25年という時であれだけいいお声ですから人気歌手の時代もあったと。ご結婚なさった時に中々大変だったとその時うかがったんですけど」

≪あの歌謡曲というんでしょうかポップスというんでしょうか何枚か出してまして。ヒットはしなくて作曲家のワダカナエ先生にはものすごく可愛がっていただいてお返しできなくてヒットもしないし、そしたらアニメのほうの仕事が来たのが結婚してから1年ぐらいした時に来まして≫

「とすると結婚された時は一番状態がそういう(苦しい)時。ご結婚で大変だったのが奥様になられた方が歌手の方で」

≪ええ先輩(の歌手)で≫

※水木さんの奥様は水木さんの先輩歌手

黒柳「同じレコード会社の?」

水木≪そうですね。はい≫

「商品ですからね。あちらも商品なんですけど」

※商品=歌手

≪どちらもコロンビアレコードなんですけど申し訳ないと売り出し中の人をね商品ですからね。ということでねアニメの方にね行ったんですけど≫

「商品である歌手を奥様にして申し訳ないとまた歌も売れなくて申し訳ないと」

≪ええ責任とりますということで≫

「奥様は引退同然というか歌うことも少なくなって」

≪そうです≫

「アニメのほうを歌わないかって言われてもねえ今のこの隆盛を見ればあれですけど当時はねえ心細くてもいらしたと思いますけど」

≪そうですねえ、テレビには当然顔も出ませんしレコードジャケットにも出ないんでそれでもいいかって言われてねえ、僕は映画主題歌が好きだったんですね”慕情”とかそういう歌手になりたいなって小さい頃からなりたいなって思ってたんでアニメの主題歌も映画と変わらないじゃないかと思ったんですよ≫

「最近はアニメのゲームがあってそこに音楽が出てくるんですって、それで子供たちがこれはなんだこれはなんだってなって」

※マジンガーZなどの懐かしのアニメがたくさん出てくるゲームがある

≪ああそうかこれはマジンガーZなんだこれはコンバトラーVなんだってなって本物見に行こうかってなってライブ見に来てくれたりします。≫

「すごい若いファンから放送されてた頃のファンまでファン層は広い」

≪それで親子で来てくれる場合もあるんですね。≫

「それにしてもお医者様が1001曲でしたっけ?1001曲を歌い続けなんですね」

※24時間で1000曲歌うというテレビの企画の話。1001曲は1曲おまけの意味

≪食事はほとんど取れなかったんですよ。ほとんどドリンクで≫

「私お話(トーク)だったらわかるんですよ。オーケストラだけで5つ変わったんですって?」

≪5つのバンドが変わったんですけどそれでも5つのバンドで1000という曲を演奏するのには多すぎますから自分でギター弾いたりとか≫

「その間みんなに休んでもらってるわけ」

≪ええ。カラオケでやったりとか≫

「でもその間あなたはずっと歌ってらっしゃるんですからその間倒れるかもしれないというのがあって今までやった人はいないわけですからああでも吉田拓郎さんは24時間されましたよね」

≪で吉田拓郎さんに秘訣を聞きに行きまして「絶対水木最初からワーっていった方がいいって」と言われてセーブするのはだめだよといわれて最初からボーンといったんですけど≫

「でも声は出るんですけど足が段々つってくるんですって」

≪はい。600曲を過ぎた時に初めての体験なんですけどレコーディングをした時よりもベストな状態で歌えたんですよ。びっくりしました。≫

黒柳「で700曲から800曲の時になってきたら」

水木≪足にきまして。それまではものすごく鍛えたんですけど足はつってくるはギターを弾いてたんですけど今度は弾けなくなるんです。そうしようもうこれでだめかなと思ったんです。その時はピアノの人が出てきてくれてそのまま歌ったんですけど≫

「終わりの30曲ぐらいの時は立っていられるのかなって。一睡もしてないんですから」

≪足はきましたけど声はいけるなって≫

「1000曲歌い終わっておまけに1曲サービスで。歌い終わった時はスタッフはお疲れ様でバタッと倒れて」

≪そうですね僕だけまだはしゃいでて≫

「声は大丈夫だっておっしゃたんですけど次の日になったらすごかったんですって?」

≪お礼の電話をしようと思って親しい方にお礼の電話をしようと思ったんですけど声が出なかったんですね≫

「私もこの前ねえアフガニスタンに行って3回か4回徹子の部屋にでちゃったんですけどお聞き苦しい声で向うでは何も無かったんですけど帰ってきて1週間何もなかったんですよでも週末になったら声が”もう休ませていただきます”って。そんなこと一回も無かったんですけどねえ。」

≪そうなんです声帯がねえ休みたいって≫

「勝手に決めるんですね(会場笑)」

≪終わると休ませてよって勝手に休んじゃうんです。で4日後に今度また放送があるんでそれでまた歌わなきゃいけないんですよその時にはまた声帯が治ってくれて≫

黒柳「水木一郎さんは歌手としての30年間を本になさいました”アニキ魂”という本なんですが。それと香港の雑誌の表紙になったりまた今度ライブをなさる」

水木≪6月2日にソロライブを渋谷の”オンエアーイースト”というところで≫

「海外でも」

≪予定ですけどヨーロッパの方に≫

「この頃はフランスでもジャパン・アニメ・フェスティバルとかあってすごいんですって」

≪スペイン、イタリア、フランスからオファーが来てるんでまだスケジュールはでてないですけど≫

「ゲストっていうのはアニメーターの方とか原作者の方とかが呼ばれることはあってもテーマを歌てる人は行ったことは無いんですって。世界中に日本のアニメはでてるんで世界に出て行こうと思ってる」

≪出来れば世界中の子供たちがひとつの歌をみんなで歌えるようになればと≫

「でもさっき若いとき英語でアメリカ人のように歌えないものかと思ってずいぶん勉強したそうですけどまさか外国に行ってアメリカに行って日本語で歌う時代が来るとは夢にも思ってなかったでしょ」

≪もちろん思って無かったです≫

「それは面白い時代が来て本当に歌い続けてらして良かったですね。水木一郎さんでした」

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