2001年10月17日
黒柳『よくいらしてくださいました。最近は喜劇的なコマーシャルでご活躍なんですけど前にいらしていただいた時にはそのCMをやる前で秀吉の奥様の寧々をやってみなさんから大変よかったとみなさんからお褒めがあった時にお出でいただいて竹中直人さんからずいぶんいろんなことを教わったんですって』
沢口「そうですね現場で予想以外の芝居が飛び出してくるんで私も緊張しながら私の2枚目半的な要素も引き出してくれて」
『あの時は秀吉っていう人にちゃんと付いていくいい奥さんでしたよね』
「最後まで愛し続けて、どんなに浮気をしても一筋に」
『あなたの方がお若いのにとっても包容力がある。お母さんがいるんだけどあなたの所に帰ってくると包むものがあるあれはとっても良かったですね』
「秀吉にとっても帰ってくる家みたいなほっとする場所でもあったと思います」
『あれをおやりになることでみなさんちょっと違う沢口さんじゃないかなって思いになったんじゃないかな』
「いろんなお話をいただきました」
『東宝シンデレラの最初でしたっけ』
「そうです」
『シンデレラでデビューなさったから本当にお綺麗でお美しいイメージをお持ちだったんですけど秀吉の後ぐらいから少しづつコマーシャルが始まってあのコマーシャルは受けるときからすでにわかってたんですか』
「そうですね関西弁の口調でもって歌を口ずさんで・・ええ丸まる関西弁でというような要求でした」
『あなたが関西の方っていうことここでお会いするまで知らなくてね普段お母様と話すときは関西弁で』
「なかなか関西弁の役とかも少なくて最初”関西弁上手に喋ってるね”って言われました」
『このときうたも歌ってらっしゃったでしょ』
「”タンスにゴンゴンよう聞くねん♪一年効くねん”っていうような」
『それもあるけどあれは誰ですか?っていうのも』
「それもあったみたいです」
『でもそういう路線について考えました?』
「引き受けたときはとても考えました。はい歴代のかたのビデオなんかも見せていただいたりしたんですけど、はたして私にこの世界ができるんだろうかって思ったんですけどせっかく要求をしていただいたことですし、私にもそういう可能性をね認めてもらえてるんだと思いましたし、私なりの世界観で演じられることでしたらやりますということです」
『あなたは早口の人なんだけど』
「関西弁で喋ってるときは比較的早口でした」
『演技をしているときとか普段のあなたを拝見していると』
「どうしても言葉をえらんでしまいますし、最初の”みおつくし”とか朝ドラをやっているときは標準語でお芝居するっていうのは私にとってプレッシャーで英語の単語じゃないですけど一度頭で訳して喋るっていうのをやってましたのでおっとりしたイメージがついていたようなんですけど」
『秀吉の時はジェームス三木さんの脚本が良かったっていうのもあるんですけどあなたの耐える女の人っていう感じがあったのでそういうものがあったと思うんですけど、そんな早口で関西弁で喋る人だってみんな知らなかったんですけどCMで犬連れてやってる時には大阪の方とかはもっとやってっておっしゃったんですって』
「大阪の方は仕事なんかで行くと私のことを身内感覚で応援してくだすってるのを感じるんですけど」
『あの時は関西弁で歌ってるわけですから”よう効くねん”って』
「そして犬を引っ張って”不細工やなあ”っていう。関西人にとっては愛情表現なんですよね。私にはそれがわかるんですよね。本当はあれはコンテになかったですね。本番やってる合間に監督がこれを入れると大阪の人が喜ぶからゆってって」
『監督は大阪の方なんですか?』
「監督は違います。スタッフの方は大阪なんですけど。そこでいうんですかってきいたらどこでもいいからタイミングがいいところで言ってって。神楽坂でとっておりましてカメラが階段を下りてくるんです。それで犬を引っ張りながらほどほどのタイミングで”ぶっさいくやな~”っていってまた行くっていう」
『そうそのころから面白いなあとおもったんですけどそれからお雛様がぐちゃぐちゃにいろんなお人形さんと一緒に仕舞われてるっていう。この時いびきをかいてるバージョンもあった』
「そういうのもありました」
『あなたお綺麗だからお姫様のかっこもお似合いなんですけどそれぐらいはあれなんですけど歯が抜けるのありましたでしょ』
「ありました。このお雛様の第二弾で2年ぐらいほったらかしにされて、防虫剤を入れてもらえなくてすすだらけになってそれで”みなさい”と”ゴンゴン入れないとこんな私みたいになるんですよ”って言う感じでワハハハハってあざ笑ってる、そのうちにポロって歯が抜けてみなさい歯が抜けたじゃないのって」
『あれはびっくりしてお母様はあそこまでやらなくてもって』
「あれはあんまし好きやないわって」
『本当にお綺麗だから本当に歯がとれちゃってねえ。オンエアーされたときは面白かったですか?』
「まあその1本目をやった時に吹っ切れまして監督とスタッフを信用してその世界に自分を入り込んで一つの役としてとらえてるんですけど」
『いつも同じスタッフのみなさんですか』
「そうです」
『そうですか』
「このCMはわたしが持っているイメージを壊すっていうのが狙いであるっていう」
『最初はビックリしたんだけど段々沢口さんっておもしろい人かもしれないってねえ。その次にレロレロっていうのがあったでしょ』
「最初コンテは違ったんですけどこのCMに関しては現場でどんどん新しい内容に要求されまして7パターンぐらいありましてパラパラを踊ったりしたのもあるんですけど」
『私見ていてねえ”ほおすごいなあ沢口さん”』
「現場でスタッフがこんな感じって見本を示してくれるんで。即興性を求められるCMというか意外性」
『私は胸の大きな歌手がすきなんですけどちょっとコマーシャル』
『あの歌ってらっしゃるのは歌謡歌手なんですか?』
「監督からは越路吹雪さんをイメージして欲しいと言われまして」
『私も最初だれか分からずぼんやりしておりましたけどその内あなただとわかったんですけど胸はもちろん作り物?つけるのに大変でした?』
「ええ大変でした。いつもの倍ぐらい時間がかかりました」
『歌は?』
「もちろん現場」では歌ってるんですけど、あとで私に似た声の人をつかって」
『あれはいかがですかご自分で御覧になって』
「私胸がゆれてるって思わなかったんですね」
『やってるときはねえ。これは市川準さんていう』
「監督ですねえ。私も自分自身がっていうと無理があるんで一つの役と捕らえまして思い切ってやらしていただいてるんですけど」
『芸歴が広がるという意味では花嫁衣裳を着ていらしてるのもありましたよね』
「再婚なんですけどねえ一回目に結婚した時のウエディングをちゃんと残してあって」
『お父さん役のひとが靖子って言ってません』
「いってますねえ」
『靖子一回目のときより綺麗やなあって』
「おおきにって。一年経っても着られんねんって」
『すごいですよねえ。あなたは結婚してないのにねえよくやったとねえ。それで最近のが政治家』
「ええ中に肉布団つけましてLLサイズぐらいのスーツをきておりますねえ。」
『これは声があれですねえ』
「これは私の声なんですけど音の方を細工をしておりまして」
『こんな風にあなた自身ずいぶん役柄が変わったんじゃないですか?』
「そうですねえ周りの方の目がまず変わりますよねえ。こういうお仕事は前の仕事をみて次の仕事に繋がるっていうところがありますから私の場合は大河ドラマの寧々役があって、フジカラーさんのCMがあって、このCMがあってみたいな感じがありますからドラマの役でもそうですけどどんどん広がってる感じがしまして」
『街とか歩いてると前よりずっとあなたのことを親しく感じてくれるってのはあったんじゃありません』
「ちょっと身近に感じられましたっていうのがありました。」
『はじめの頃のあなただとあんまりお綺麗だし』
「ちょっととっつきにくいってのが私あるみたいですよねえ」
『”見てますよ”とか』
「親近感感じてねえ」
『そういうのうれしい』
「はい」
『関西のご出身ですからご両親は滋賀?』
「そうです」
『でもあなたはじめ関西弁がでるのがいけないって言うんでなるべくお母様と話さないようにしてたって』
「おおげさにいうと高校卒業するまで18歳まで大阪にいたんですけど標準語を使ったことがなくていきなりこの世界に入ってお芝居をしなければいけないってことになりましてセリフをチェックしていくんですけどなにが標準語でなにが関西弁っていうのが分からなくてアクセント辞典っていうのを貰いまして引いたりしてたんですけど、その他にそばにいるマネージャーに指摘してもらったりしたんですけどお芝居になって感情がはいると知らず知らず頭でしゃべるものではなく心でしゃべるものですから自然とでてきますのでやはり直すには普段から標準後を話さなければいけないんだとおもいましてその一つとして両親と話すのもなるべく控えようと」
『沢口さんは私の舞台もよく見に来てくだすってるんですけど今度舞台で喜劇をなさるんですって?』
「はい現代物でやらしていただいております。三谷幸喜さんの作・演出ですね」
『はじまってるんですよね。大変長い題名なんですけど』
「”バットニュース☆グッドタイミング”という題名なんですけど舞台が高級ホテルの高級ラウンジなんですね。結婚披露パーティーがあるんですけど実は両父親にまだ話してないという秘密がありまして、両父親が10年前に漫才コンビをくんでましてケンカ別れしてコンビを解消したという話でして。両親に話さなくてはいけないというハラハラドキドキの結婚コメディーで」
『漫才コンビのかたはどなたとどなたで?』
「旦那さんがわの父親に伊藤四郎さん、私側の父親に角野卓三さん。相手は生瀬さんになります」
『じゃあすごいでしょみんなお上手なかたが多いから』
「わたしも始めての経験ですけど楽しくやらして頂いておりますけど三谷さんが細かく細かくキャラクターの色づけをしてくださるので」
『それであれでしょこのテレビ朝日系列でドラマ。毎週木曜日』
「11月1日の8時から”家捜研の女”というドラマを。科学捜査研究所の略になります。これは京都府警の科学捜査研究所が舞台になりますけど」
『関西弁?』
「標準語なんです」
『大変ですねえあなたも(笑)』
『ご結婚ていうのが話題に上るんですけどいっこうにお話がないんですけど』
「まあそんなにいそいではなくて年齢的には年齢的ではあるんですけど仕事の方も充実してまして自然のながれに任したいなと思ってるんですけど」
『お母様が面白い方で若いうちになんでもいいから子供生んじゃいなさいって』
「子供を産んどけば勝手に育つんだからって」
『あなたはどう思いますか』
「私はあれもこれもできないから。結構私は慎重派で石橋を叩いてから渡っちゃう方なので結婚慎重に考えちゃうんですけどやはり子供は好きなので将来は欲しいなっと」
『これだけお仕事やってらっしゃるとあっというかたにお会いできませんかねえ』
「ぜひ目をつけたいとおもいます」
『目を付けたい!!』
「”見つけたい”です」
『ああ”見つけたい”ね。まあいいですよね一人で仕事をやってたらねえ』